45人生の岐路 / 海をナメすぎた結果

前編: 44人生の岐路 / まずは慣れ
後編: 46人生の岐路 / 当たり前が当たり前ではなくなったとき



初デビューを飾った、シュノーケリングから、翌日。

早起きをして、私は海に向かった。

アオウミガメが見られると聞いていたからだ。


やっぱ見ておきたい。

水着がない時は、別に興味なんてないと言っていたけど、そんなの嘘。

見たくて仕方なかったのだ。


昨日の反省を踏まえ、この日は、ライフジャケットを持っていかなかった。

ライフジャケットがあっても、どうせ、海は浅い。意味がないと決めつけていた。


しかし、その判断はのちに裏目に出る。


昨日と同じように、フィン、マスク、シュノーケルの順番で支度をして。

いざ、海へ!


勢いよくと言っても、気持ちの問題。実際にフィンを付けていたら、早く進めない。

小走りに進んでいたら、ちょうど海からあがってきたお姉さんに、

「ブイ(遊泳区間を示す海の道しるべ)の下あたりにカメがいたよ」

と、教えてもらったので、ブイを目指して海へ。


フィンをつけて海を歩くと転びそうになってしまうため、海に入ると同時に座り込み、泳ぐ体制へ。

浅いから、地面に手をつけながら前に進んでいきました。


とは言え。

少しでも早く、前に進みたい。


途中から、地面につけていた手を離し、平泳ぎのような感じで水をかいて行きました。

足は、ゆっくりとバタ足をする感じ。


あまり進んでいなかったけれど、海の様子が分かってきました。

みんなが口を揃えていた、座間味の海は美しいと言っていた事が、ようやく肌で感じられました。

確かに、美しい。晴れていれば、遠くまで海中を見渡せる。


ただ。

海の美しさに見とれて、私の呼吸は乱れていきました。

あれ、海水が入ってくる。てか、マスクが曇ってきた。


……ん?


完全に、海をナメていました。

浅いと思っていた海。昨日入った時には、浅かった海。

なのに、今は違う。

立ち上がろうと思ったら、地面がありませんでした。


溺れる。


マスクは曇り。

海水を飲み。

フィンの抵抗でどうする事もできない。

挙句の果てに、マスクのすき間から微量の海水が入って来た。

私、(ハード)コンタクト。目が……。


そう、完全に海をナメていたのです。

フィンをつけて立ち上がる際は、そのまま立ってはいけない。

背泳ぎをする体制になり、海水の抵抗を少なくしてから、立つ。

私、知りませんでした。

てか、ライフジャケットをつけていない時点で、海をナメていた。


取り合えず、冷静になってみた。

少し目はしみるけど。喉がイガイガするけど。明らかに溺れているけど。

死にたくない気持ちと、周りに誰もいない状況から、自分でどうにかするしかなかった。


そして、発見した。

目の前に浮いているブイに掴まろう、と。

我ながらに良い案だと思った。


ブイまでは、犬かきをしました。

ブイに掴まると、私の重みで沈みかけましたが、浮き輪代わりになってくれました。

まずは、ブイに体を任せるように大きく深呼吸をして、息を整えていきました。

次に、マスクの曇りをとって、(と言っても、指先でこするだけだけど…)再度、マスクとシュノーケルをつけて、少し休憩をしました。


そして、いざ、海中へ!

と、海の中を見た瞬間。

私の下に、アオウミガメがいたんです。

それも、2匹。

驚きました。

優雅に泳いでいました。

私にとって、カメは、ニモ(『ファインディング・ニモ』)の世界。

「うわぁ〜、ニモの友達がいる。」と一人で興奮してしまいました。

言葉を発するから、海水が入ってきてしまうのに。学ばない女です。


その後も、場所を変え、計4匹もアオウミガメと出逢うことができました。

危ない経験をしましたが、無事にアオウミガメを見る事ができて良かったです。

翌日から、海に潜るときはお昼と決め、朝に入ることはなくなりました。怖い。


ちなみに、ボートシュノーケリングというものも体験しました。

小型のボートに乗って、シュノーケルを楽しむというもの。

長年の勘と海を知り尽くした船長さんに、お客さんと混ざって連れて行ってもらいました。

私は、島にいる間、2回、行きました。

浅瀬とは違い、魚や珊瑚、イソギンチャクの種類が違いますね。

みなさんは、マンタが見られた事に興奮していましたが、私は魚たちに感動しました。

ニモがいる。ニモの友達の青い魚がいる。見た事もない魚がいる。って。

マンタももちろん見ましたし、私の横を泳いでいましたが、私にとって魚の群れが一番でした。


そして、一つ、気づいた。

私は、船酔いだけでなく、海酔いもするって。

ライフジャケットをつけていたら、波の揺れで酔った。吐きそう。気持ち悪いの連続でした。

毎回、船から降りたら、ぐったりとしていました。


でも、小学校ぶりの海と言っていいほど、海での思い出はなかったので、良かったです。

良いことも悪いことも、振り返ってみればステキな思い出になってしまいます。

だって、すっごく印象に残っているんだもん。

親に溺れそうになったと言ったら、一言、「バカ」と返されました。


けれども、この後…。

誰もが予想もしない、悲しい日がやってきました。

当たり前が当たり前ではなくなったとき。

私の顔から笑顔がなくなりました。涙が枯れるまで泣いた。

私は、この島で、一期一会のような出逢いと、永遠の別れを経験したんです。


続きのストーリーはこちら!

46人生の岐路 / 当たり前が当たり前ではなくなったとき

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