49人生の岐路 / 決断

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静岡を発ったのは、14時頃だった。

当初の予定は、始発。もしくは、通勤ラッシュの後だった。


父に出てけ、と言われたものの、やはり、実家の居心地は最高だった。

衣類の選別をし、あれこれ考えていたら、お昼になっていた。

母が作ってくれたお弁当を家で食べ、さあ、家を出ようと思った頃には13時をまわっていた。


母は優しい。

静岡駅まで送ってくれた。

心のどこかでは寂しかったと思う。

母をまた泣かせてしまった。

申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

ごめんなさいと言えなかった。


衣類を詰め込んだ登山用のリュックは、7キロを超えていた。

これから、熱海、東京と乗り換え、千葉に行くんだなと思うと、げんなりした。

新幹線なんてリッチな移動は出来ない。金券ショップで乗車券のみを買って、静岡を出た。


千葉に着いたのは、19時頃だったかな。

彼は、仕事の関係で23時過ぎという事だったけど、部屋の鍵をあけてくれたので先に入る。

ちなみに彼の家は、SA(ソーシャルアパートメント)と呼ばれる大人数のシェアハウス。

100人ほどいるらしい。学校みたいです、本当に。


彼の部屋に着いても、私は落ち着かなかった。

彼が帰ってくるまで、ひたすら、彼にいう事だけを考えていた。

もし、彼の反応が良くなかったら…、そのときはそのとき。

泊まらず、7キロの荷物を背負って帰ろう。


強気になっていたけど、

心の中では緊張でいっぱいでした。


日が変わる直前。

彼が、「ただいま」と帰ってきた。


もし。

彼の反応が良くなかったら。

私は電車がない中、歩いて帰ることになるだろう。

そればかり、浮かんでしまいました。


彼に言う前から泣いてしまった。


結論から言うと、

年内まで、彼の家に住ませてもらうことになりました。

また、彼の仕事との兼ね合いで、機会を見つけて実家に足を運んでもらえることになりました。


彼のためであり、両親のためであり。

なにより、自分のために、今は少しでも早く、仕事に就く事が目的です。

現在も転職活動中です。


命を懸ける。

そんくらいの気持ちで挑んでいます。


同棲じゃなく、居候。

正直、カッコわるいです。



彼に告げた翌日。

母に電話をかけました。

「そうなんだね」と言う、母の声が胸に突き刺さりました。

ごめんって言っちゃダメだよね、自分で決断したことだから。


家族も。

恋人も。

取れる人生だったら良かったのに。


でも、自分で決めた道。

両親に喜んでもらえるために、ここで、頑張り続けようと思います。

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50人生の岐路 / 彼と一緒に住む

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