ネコのお別れ会

昔、猫を飼ってたんすよね、そのときのお話です。

多分、4歳か5歳かな。


そのぐらいのころ、僕らは借家の「長屋」みたいなところに住んでいました。その家のすぐ近所にはローカルな運送会社があり、僕ら兄弟はそこの運送会社の社長の奥さんにすごく可愛がってもらっていて、よく遊びに行ってました。


なんで、そんなトコへ通うようになったのかはわかんないけど、いつしか顔を出すようになっていて、その運送会社の車庫(けっこうでかい)にも自由に出入りしてました。


その車庫に隣接するビルの最上階に、その社長夫妻の家がありました。

見晴らしいいし、おっきい部屋だったし、お菓子もらえるしってことでほぼ毎日のように通ってました。まぁ、親はあまりいい感じしなかったようですけど(まぁトラックの会社の社長だからね、外見は完全に極道だったし、家には毛皮のじゅうたんあったしwww)。


まぁ、そんなことで仲良くさせてもらっていたわけですが、ある日、その夫人(50代のおばちゃんだったような・・・)から「猫を飼わないか?」と提言がありました。なんでも自分が飼ってる猫が子供を産んだようでもらってほしい、とのこと。


兄貴は動物好きだし、僕も喜んでた覚えあります。で、記憶ウロ覚えだけど、飼うことに決めて、そのあとで親に報告をして、親から怒られた覚えがある。(まぁ、これも結局、親が今さら「いらない」なんて怖くて言いづらいってことで飼うことになったような)


名前は「ミー」という名前をつけました。


アメリカンショートヘアーの子猫です。貰った初日に膝をひっかかれ、泣いた記憶があります。親との約束でちゃんと面倒見てましたよ。ただ、僕も幼かったので記憶にあるのは押入れに隠れて出てこれなくなったのを探したり、風呂に忍び込んで勝手に溺れていたのを助けたり、とかそのぐらいしかないですけど、大事に飼ってました。


順調に成長していき、大きくなると、近所の野良猫相手にケンカをするようになりました。

尻尾がない猫、片目がない猫・・・当時、結構野良猫多かったんですよね。そして、いつしか近所の猫のリーダーのようになってましたwww(ケンカ強かったらしい)


そんな感じで日々が過ぎていたわけですが、7歳になった夏にある問題が発生しました。

それは「引っ越し」。


新しく引っ越す先は隣町なんだけど、団地だから犬猫は飼えない、ということで、ミーを誰かにあげないといけない、という話をされました。


僕らは当然、反対しましたが、そこはほら、親の権力って絶対じゃないですか。僕らは嫌だけども、親がそう決めてしまったら、もう逆らえない。ミーは叔母が住んでいる家の隣人にもらわれることになりました。


猫って犬と違って、結構フラフラと出歩くじゃないですか。

家には帰ってくるものの、そのあたり一帯をウロついてるみたいな。ミーもそんな感じだったんですよね。


で、ミーといよいよお別れをするという前日の夜のことでした。

確か、そのときはミーは家にいた、と思うけど、玄関から猫の鳴き声がするんですよね。しかも何匹も。


「ミーはここにいるのになぁ・・・」


と不思議に思いながら玄関へ行き、扉(引き戸)を開けてみると、そこには近所で見かける野良猫たちが一堂に会してました。その数10匹はいないだろうけど7~8匹はいて、みんなちゃんと座って、鳴いている。僕を見ても逃げない。


すると、家の中からミーがタタタッと走ってきたと思ったら、そのまま外へ飛び出し、野良猫たちもケンカする、というより従うって感じで後を追っていきました。


そのことを親に伝えると

「みんな、ミーにお別れを言いに来たんだね~」と言われました。


猫にそんな事情が分かるわけがないのにな、と子供ながらに思ったわけですが、今までそんなこと一度もなかったし、いつもなら逃げる野良猫が逃げずにいたのも不思議だった。


後日談:何年かのちに叔母の家に遊びにいったさいにたまたまミーを見つけました。まぁーぶっくぶくに太ってましたけど、ケンカは相変わらず強かったようで、そこでもリーダーになってましたwww

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