岡山県のある18歳が高校を2度中退し、時給850円で教育を変える挑戦をしている話

3 / 3 ページ

「今まで頑張って積み上げてきた英語力がここで止まってしまうのか」

という心残りも、決断を渋らせる要因となりました。

しかし、生まれたときから英語と母語の2カ国語を操るバイリンガルを見ていると、

「いや、通訳でよくね?」

と考えるように。

まぁ、今から考えると当たり前のことです。

やっぱり英語が喋れるってかっこいいですから、憧れます。

でも、英語が喋れるって、英語を使用している20億人と同じスタート地点に立つだけなんですよね。

で、そこから、20億人の中で差別化するために頑張らないといけない。

だったら、お金稼いで通訳雇いましょうよ。それだけでもうスタート地点に立てちゃいます。

それで、英語以外に勉強の時間をつかって、20億人と差別化しましょう。

そしたら、下手な英語でも死ぬほど本気で聞いてくれます。通訳を介する時間だって待ってくれます。

最近だと、落合陽一さん (現代の魔法使い) 見てると、特にそう思いますね。



そして、ここで、やっと

「お前、せめて偽物の本物になれ。本物の偽物にはなるなよ。」

の意味がわかりました。


偽物の本物とは、偽物クオリティ(クオリティは本物より落ちる)だけど、英語を学ぶとは?を理解している「本物」の頭をもった人材のこと。

本物の偽物とは、本物クオリティの「偽物」のこと。英語は本物レベルでペラペラだけど、頭は「偽物」の、いわゆる「エセ外国人」のこと。


M先生にぼくの1年後は見透かされていた、というわけです。



そして、そんな風に高校を辞めたぼくは、

もう「与えられる」授業とかいいや。自分で学べばいい。

そう思うようになり、もう高校に行くつもりはありませんでした。

そして、なんとなく日本に帰ってバイトをして、そのお金で世界をブラブラしようかな。そう考えていました。


人生の師匠に出会うまでは ....


日本に帰国するまであと1ヶ月。

そんなとき、人生の師匠(←ぼくが勝手に呼んでるだけです) と出会いました。

この人まだ若いけれど、超がつくほどの「苦労人」。

「まじ、今までの半生で情熱大陸8回くらい出れるんじゃね?」

と本気で思うほど、波瀾万丈な人生を送っています。


そんな師匠から、帰国間際、こんなメールが届きました。

「弘二、自分が思ってるより弘二はすごくないよ。」

「自分は他よりできるとか、本気だせばなんて、無いから。案外大したことないよ、自分なんて。」

「環境が恵まれてるだけ。そしてその環境に甘んじてる。」


これらに薄々感づいていたぼくの心にはグサリ、グサリと刺さりました。


バイトで稼ぐ予定だったお金は、あくまでも旅のための費用。

生活費などは、親のすねをかじって生活するするつもりでした。


しかし、師匠の言葉をうけて、

一人でやっちゃるよ!! (←岡山弁パート2)」

そう一念発起し、一人暮らしをし始め、時給850円のバイトで、家賃、ガス代、水道代、電気代、食費を払い生活をすることにしました。


そして、残ったお金で本を買って、勉強していましたが、

「こんな生活ばかりしていていいのだろうか....」

次第にそういう思いに駆られるように。


そんな中、2度高校を中退した自らの経験から、

「やっぱり、教育を変えたい!」

そんな思いがつよくなっていきました。



「授業」を考える団体を創設


「教育を変えたい!」とは思ったものの、何から始めたらいいのか全く分からない状態。

しかも、時給850円です。できることなんて限られてます。


しかしそんな中で、やはり実体験から、

「授業」を見直したい!

と思うようになりました。


ここで、

「よし、じゃあ、ゆとり教育について話し合う場を設けよう!」

と考えることもできました。


しかし、ゆとり教育をはじめとする「制度」って上っ面だけのもので、それだけ取り繕っても、「現場」が変わらなければ、結局何も変わらないんですよね。


制度を変えることに意味がない、と言っているわけではなく、

まずは現場を変えないと、ということです。


じゃあ、「現場」を変えるって言っても、まず何をしようか。

それが、原体験から考えると「授業」だったわけです。


そして、そんな経緯で、ぼくは今

「生徒と教師が本気で授業を考える7時間。」という団体を立ち上げ、(団体と言ってますが、メンバーはぼく一人です。)

現在、「生徒と教師が一緒に授業をつくる」ワークショップを企画しています。


先生だけで、授業を考える学会や研究会はあります。

生徒だけで、授業について話すお昼休みの時間はあります。


しかし、両者がひとつの場所に集まり、「対話」を行いながら、共に授業をつくる場はない。


授業はコミュニケーションですから、両者がお互いを知り、お互いに歩み寄らなければ、いいものはできません。それなのに、現状生徒と先生の間には大きな隔たりがあります。

生徒は基本、

「先生、もっと面白い授業してよ!!」

と思っているし、


先生は、

「おい!こっちは真面目に授業してるんだから、生徒もちゃんと聞けよ!」

と思っています。


このような、隔たりという名の「壁」がある限り、いい授業なんてできるわけがありません。

だから、ぼくはこの「壁」を壊したい。


このワークショップにはそんな思いが込められています。


もちろん、

「まずは、先生が授業に専念できる環境にしないと。」

「面白い授業をしたいけど、保護者のニーズを考えると...」

など、他にも問題は山積みです。

しかし、これらの複雑に絡み合った問題を解決する

「はじめの一歩」として、

このワークショップが大きな役割を果たすことを祈っています。


最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。


著者の難波 弘二さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。