車中泊による飛込営業の旅 第五回

前話: 車中泊による飛込営業の旅 第四回

飛び込み営業~京都編~

思ったような成果が上げられず思惑も全て外れ、一日を終える。

「今日は散々な目に遭った一日だったなぁ~」なんて、その時は思ってたけど本当に「散々な目」に遭うのはこれからだった。


この日は快晴で、とても暑かったので、もう汗でベタベタ。

メシより先に風呂入ってサッパリしたいという気持ちになったので、電話帳で銭湯の住所を調べて銭湯へ。中心街から少し上がったとこにあって、何故かここはすぐに見つけることができた。


そこは、昔ながらの銭湯で、ちょっと懐かしい。風呂上りに「フルーツ牛乳」を購入し、なんだか楽しい気分になる。


風呂入ってサッパリしたところで中心街に戻りファミレス入って、「明日も頑張るぞ」と自分に活を入れるため、自分的にちょっと奮発。


この日が金曜日だったんですよ。翌日は土曜日で普通は会社とか休みだとは思うんですけど、僕らは普段、土曜日も仕事ですし、制作会社や印刷会社は土曜日は仕事やってるところが多い。

そういったとこも含めて回る予定でした。


メシも食って、今日の寝床はそのまま「ファミレスの駐車場」です。

結構広くてそのまま停めてても大丈夫そう。22時ぐらいだったかな?着替えて、車を「お泊りモード」に切り替え、寝ます・・・5分くらいして・・・暑い!!


そう、6月で、しかもここは京都。名古屋に負けず蒸し暑い地域。前回はまだ5月中旬だったから昼間は暑くても夜は涼しかったけど、6月中旬といえば結構暑い。とても寝れそうにないので、窓を開けて寝ることに。防犯上嫌だったんですけど、仕方がない。窓を開けたら途端に車内の室音は下がり、快適な気温に。これで眠れる・・・と意識が落ちかけたあたりで


「ぷ~ん・・・」


という不快な音。そう、僕にとっては大敵である「蚊」。


昔から「蚊」に刺されると異常に腫れ上がったり、水ぶくれになったりするので(しかも刺されやすい)、大嫌い。少し我慢してたけどもう既に何箇所かカユイ。

耐え切れず、起き上がって場所を変えることに。


まさか寝床を変えるハメになるなんて思ってもみなかったので、今からの寝床探しはかなり厳しい。

コンビニの駐車場、トンネル出口の路肩、商店街、もう走っては停めて、寝てみて、移動の連続。


それでも蚊がいたり、明るくて騒がしくて寝れるような場所じゃなかったり、車の通りが多くて危険だったりで、全然ダメ(そんなやり方しかしない僕がダメなんですけどね)。

しかも夜だと、全然道がわからない。


昼間なら交差点の名前や風景とかで判別も出来るけど、暗くなると街の様相も変わるし、深刻的に迷子。時間は既に午前1時を回ってる。やばい、早く寝ないと。しかし、更に僕に不運が遅いかかる。


寝床をさがしての走行中、携帯の電池がなかったので、シガーライターを使って携帯の充電をしていました。僕が使ってた車用充電器は結構はめ込みの部分がキツいもので、ハメるにも抜くにもチカラがいるような代物だったんですよね。


で、とりあえず、電池のゲージがいっぱいになったので、充電器を抜いたんですよ。「ガコッ」とゴツイ音をたてて抜けました。それもシガーライターごと・・・。

車走らせながら、「うおぉっ?」とビックリ。これはヤバイと思い、車を路肩に停めて、シガーライターをはめなおします。


どうやら通常はツメかなんかでひっかかかってる部分が外れたようで、素人考えで「一旦戻して、捻って外せば(充電器とシガーライターが)外れるんじゃないか・・・?」と思い、やってみました。


その瞬間、


「バシュッ」


と火花が散り、オーディオとエアコンがストップ。そしてヘッドライトも消えてしまった。

「ショートした・・・!?」と焦りに焦り、エンジン切って、再度かけなおしてみるけどオーディオもエアコンも反応がない。というか、PCじゃないんだから「再起動」してもダメだろ、って今は普通に思う。


ショックでしたね。時間は2時近いし、音楽は必須な人間なだけに無音は更に厳しい。

とにかく今は寝床を見つけないといけないので、そのまま回遊。


「明日、修理持ってくしかないかなぁ~また金が飛んでく~」とか考えながら、思い切って今まで通ったことのない方向へハンドルを切る。どんどん繁華街から離れ、静かになっていく。更に無音で無灯火。怪しいことこの上ない。


午前3時を過ぎ、どうやら大きい公民館(~記念会館みたいなとこ)か体育館かわかんないけどでっかい鳥居があって、小さい公園がある広い場所を見つけた。


人通りも少ないし、他に路上駐車もある。車を停めてみて寝てみる。時間も遅いから涼しくなってきてるし蚊もいない。「やっと眠れそうだ・・・」と安心し、明日は修理工場探さないと・・・とそのまま就寝。


ただ、この場所に停めたことが更なる悲劇を呼ぶことに・・・。

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