とある小学校の音楽会での出来事

私の子供たちが通う小学校は音楽に力をいれていて、毎年学区内にある大きなホールで学年毎に歌を発表する音楽会があります。
各学年、趣向をこらしてとても素晴らしいのですが、今年の6年生は格別でした。
6年生の歌は卒業に向けて旅立ちをテーマにした歌でした。低学年と違い、指揮者も伴奏も生徒が担当します。最高学年だけあり、素晴らしい歌声でしたが、大きなホールでの本番で緊張したのでしょう、段々指揮者と歌がずれてきてしまったのです。それは遠く2階席から見ている保護者の私たちの目にも明らかで、客席が少しざわつくほどでした。
もちろん歌っている子供たちはもっと焦ったことでしょう。すると1番前の列の1人の少年がなるべく目立たないよう、でも指揮者の子に伝わるよう、小さく指揮をとり始めたのです。一生懸命、でも目立たないよう小さく手を振り続ける子。その健気さに感動し、涙が出ました。
すると他にも頭を振って指揮を合わせようとする子、指揮者に気付かせようと大きく指揮を振る子、とその輪がどんどん広がったのです。その様子は本当に感動的で、子供たちの仲間を思う絆の深さに心を打たれました。
仲間の様子に気付いた指揮者の少年もようやく曲に合うようになり、最後まで歌声も全くずれることなく、その素晴らしい合唱は終わりました。
音楽会後に知ったことですが、指揮者の少年は去年転校してきたばかりの外国籍の子だったそうです。
もしかしたら指揮者は毎年参加してきた子がやりたい大役だったかもしれません。でも最後の音楽会の大役をその子に任せようと決めた子供たちの懐の深さ、そしてその子を全力で支えようとする姿を見せてくれた今年の音楽会はいつも以上に忘れられないものとなりました。

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