Noriko

私にだって名前がある。
親がつけてくれた名前。
お父さん、お母さんの名前を一文字づつ取ってつけてくれた名前だ。
日本にいた時は、私は典子という名前の一人の人間だと思っていた。
それが今は、あのアジア人、あの日本人の英語の下手なやつ。
初対面でちゃんと名前で
呼ばれたのなんて何回あっただろうか?
優しくされるのも、いつもお決まりの
展開が待っていた。
いつも、いつも、いつも同じだった。
明らかになめられていた。
バカにされていると思った。
あたしは、中国人じゃない、韓国人じゃない、アメリカ人でもない。
典子だ。
優しくて、僕も日本語学びたいんだ。と行って近づいてきたニューヨーカーの男。何回かカフェで話した。
ある日待ち合わせが、とあるビルだった。なんでここで待ち合わせ?と聞くと答えない。
オフィスに案内された。
なんか変な感じがした。
あたしすぐ行かなきゃ行けないからっと言って逃げた。
密室に二人。明らかだった。
自分が、情けなくて、悔しくて泣いた。
久しぶりに自分の事をバカだと思った。
泣きながら、最近自分から別れを告げた相手に頼りたくなった。
こんな時もいつも仕事を優先するような奴だった。約束は普通にキャンセルするし、都合いい時だけ連絡がくるようなやつだった。わかってても、そいつが一番居心地が良かった。
自分の事を久々にバカで軽率な奴だと思った。すこしでも信じた自分がバカだった。
悔しさだけがこみあげてきた。。。
ニューヨークにきて何度も常識とかマナーとか知らず、馬鹿だったらどんなに良かっただろう。と思った。
マナーもクソもない、この場所で。
バカになれたら、バカだったらよかったのに。そしたら、もっと楽に生きれたのに。泣きながらSOHOを歩いた。
人目なんか気にならなかった。
あたしは、典子だ。
アジア人、日本人て名前じゃない。
Norikoだ。絶対に這い上がってやる。
汚い、汚れたこの街で。
覚えてろよ。
気が強いアジア人をビッチと呼んだやつら。みてろ、今にみてろ!!!

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