第13話『夫婦ゲンカの嵐』 大手企業で重度のうつ病を発症し、里帰り出産の妻から離婚され、約一年間自殺願望の消えなかった僕に深い愛情で接してくれた両親のおかげで、うつ克服カウンセラーという天職に出会えた話

前編: 第12話『【第2章 ついにうつ病を発症する】 うつ病前の僕の状況』 大手企業で重度のうつ病を発症し、里帰り出産の妻から離婚され、約一年間自殺願望の消えなかった僕に深い愛情で接してくれた両親のおかげで、うつ病克服専門心理カウンセラーという天職に出会えた話
後編: 第14話『東日本大震災の翌々日ついにうつ病に』 大手企業で重度のうつ病を発症し、里帰り出産の妻から離婚され、約一年間自殺願望の消えなかった僕に深い愛情で接してくれた両親のおかげで、うつ克服カウンセラーという天職に出会えた話

僕は仕事の辛さを元奥さんに当たるようになっていた。テレビを見ていたら、「うるさい、消せ」「俺は起業する、邪魔をするな」「子供はまだいらないが、家で大人しくしていろ」「お金を稼いでないくせにえらそうなことを言うな」など、彼女に当たることが多くなっていた。





 彼女もストレスを感じていたようで、僕といたらダメになると思ったのかもしれない。初めのほうは、素直に言うことを聞いていたが、次第に反発するようになっていった。「うるさい、お前が出て行け」「私だってパートで稼いでる。文句を言うな」「仕事でストレスを溜めて、私に当たるんじゃない」そういう言葉が返ってきた。


 そう言われると僕も黙ってはいられない。「お前のほうこそうるさい」「安月給で満足しているようなやつはダメだ」「ハンバーグで握った手で蛇口をさわるな」「こまめに電気を消せ」「ドアを開けたら閉めろ」と、ほんとくだらないどうでもいいことに、いちいち腹を立てていた。





 仕事で溜まったストレスを家庭で一気に爆発させるかのごとく、僕は振舞っていた。いったい何様のつもりだ。僕は彼女を操作できると思っていた。彼女を1人の人間として見ていたわけではなく、都合のいいストレス発散のはけ口に思っていたように思う。僕は本当に最低な人間だ。


 ときには、暴力に訴えることもあった。彼女の足を蹴ったり、手を叩いたり、首を絞めたりしていた。子供のケンカのように取っ組み合いになって、手を出すことが多くなっていった。


 彼女も彼女で、げんこつで殴りにきたり、頭をはたいたり、包丁を持ち出すこともあった。これはDVというのかもしれない。9割方僕が悪いことが多く、ケンカのきっかけはほとんど僕にあった。今思うと本当にとんでもない思い違いだ。





 家族で一番大切にするべき人に危害を加えていたのだから。僕はどうかしている。仕事のストレスのせいにしているが、少しは僕の性格もあったかもしれない。





 小学校のとき、僕は自分より弱い子たちをいじめていた。自分より劣ると見た相手には強気で、自分より勝ると見た相手には、ストレスを溜めるだけだった。自分は本当に人間ができていないと思う。自分の感情に任せて、家庭内で好き勝手やっていたのだから。今になって思うと恥ずべき行為だ。





 そりゃあ離婚されるかもしれない。一緒になって幸せになるはずの相手から罵倒され、手足を出されるのだから。彼女にしたら、溜まったもんじゃない。彼女にあざを作ってしまったこともある。今思えば最低の行為だ。許しても許されるもんじゃないかもしれない。





 僕は自分のストレスをうまく発散させたり、やる気に昇華させることができなくて、自分の殻に閉じこもっていんだ。本当に弱い人間だった。恥ずかしい。





 離婚は時間の問題だったのかもしれない。悪いのは全部僕だ。今謝っても許されるものじゃないけど、彼女に謝りたいと思う。本当にごめんなさい。自分はどうかしていた。それとも、それが自分の本性なのか。うつを乗り越え、離婚した今は、そういう感情はない。もしも別の人と再婚することができたら、今度はそうならないように綿密に気を配る必要がある。





 でも僕は、彼女の存在の大切さを身を持って味わった。今はもういない1人暮らしの家で、寂しいと思うことがある。「大切なものは失ったあとに気づく」と言われるが、本当にそう思う。僕は心にぽっかり開いた穴を埋める方法が見つからない。それほど、彼女の存在はかけがえのないものだった。






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第14話『東日本大震災の翌々日ついにうつ病に』 大手企業で重度のうつ病を発症し、里帰り出産の妻から離婚され、約一年間自殺願望の消えなかった僕に深い愛情で接してくれた両親のおかげで、うつ克服カウンセラーという天職に出会えた話

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