それは「心に風邪を引いた」ことから始まった④

1 / 2 ページ

挨拶も返されない日々

少なくとも当時の私は黙って仕事をやるしかなかった。

上司以外の同僚は私が話しかけても無視することが多くなった。

何度かPCは初期化されていたけど、さすがにバックアップも取っていた。

トイレで席を外すときでさえ、バックアップをしたフロッピーディスクを持ち歩いた。


ある日、 バックアップしていたフロッピーディスクも中身が消去されていたことがあったのだ。

そういうこともあろうかと、2重にバックアップし、一つはいつも持ち歩くようにしていた。


書類がなくなった。

朝「おはようございます」と言っても無言。


よく、いじめの対象者がいると、

みんな自分に降りかかってほしくなくて、「いじめる側」に加担するって聞くけど

あからさまに私に悪さをしてくる後輩はともかく

その他の人たちはなんでそんな幼稚な仕打ちをするんだろう。

しかも、もういい大人なのに。くだらない。


今だったらわかることも、当事者だった私には

「なぜこんな目に遭うんだろう」としか思えなかった。

でも、何もなかったかのように平然と振る舞っていた。

そして、さらに悪さはエスカレートしていった。


会社以外の友達や彼に相談したり、愚痴を言ったりしなかったのが

私の病気を加速させることに繋がったのかもしれない。

そんな目に遭っているということが「いい子」だった私のプライドが許さなかったのかもしれない。

誰にも言えなかった。


通勤途中で具合が悪くなったりする日々が続き

当時一緒に住んでいた彼に「病院に行ったら?」と言われて

ようやく自分の状態が他人から見ても異常なんだと気づかされた。

いつも深夜に帰ってくる彼に心配させまいと

会社での出来事は話さないようにしていたが、もう隠し切れなくなっていたのだ。

「行ってくる」


「うつ」と診断される

紹介で行った横浜の病院は

「精神科」と「心療内科」の待合室が一緒だった。

ちゃんと椅子にも座れないくらいぐったりしているサラリーマンとか

目がすわっている若い女性とか

「う~」ってずっと唸っている年配の男性が診察を待っていて

自分が今まで踏み込んだことがない世界に来てしまったんだと思った。

ここまで、ひどくはないはずだ!

みんなの読んで良かった!