女子大生が世界一周を仕事にする話「【ラオス】ここで、働かせてください!」

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前編: 女子大生が世界一周を仕事にする話「【ベトナム】トラブルだらけの旅の始まり」



 ラオスという国のことは、東南アジアを放浪してみようかな、と地図を広げて初めて名前を知った程度でした。たまたま、ベトナムを北上してタイヘ行こうとした私が通るべき道にその国はあっただけでした。東南アジアの中でも特に貧しい国であるはずのラオスには、どうやら私たち平成生まれが知らない「たいせつなこと」がたくさん転がっているようです。今の日本が失ってしまった何かが、ラオスにはまだ残っているような気がしました。





■それは「ピー」の仕業


 ラオスへの入国は、ベトナムのフエからバスに乗ってでした。夕方もう間も無く日が暮れる、という時間にサワンナケートという街の隅にあるバスターミナルに降り立ち、ベトナムで散々戦ってきた


「タクシー!タクシー!」


という積極的すぎる客引きを覚悟していた私は完全に肩すかしをくらったのです。客引きどころか人が全然いない。バスターミナルの横の、コンビニと呼ぶには少し品揃えの心もとない小さなお店も閉まっている。バスターミナルから外に出て、一応予約しておいた宿を探すのですが、道の両脇のお店がどんどんシャッターを降ろしていく。宿までの道を聞こうにも人がいない。

 

 なんせベトナムでは、どこへ行っても英語か日本語であれ買えここ行けヤスイヨヤスイヨオネエサン!もう嫌だうるさいお願いだからほっといて!ってなるくらいだったのに今やあの客引きすら恋しい。


 あたりがどんどん暗くなり道から突然現れて吠え掛かる犬に怯えながらなんとか辿り着いた宿でもほとんど英語が通じず単語でギリギリ理解する、言葉のキャッチボールというより言葉の1000本ノック。これか?これか?これならわかるか?とある意味語彙力を試される練習を繰り返し、なんとか部屋の鍵をもらったものの、明日からどうしよう、と不安は募るばかり。


 それでもお腹だけは空くらしく、地球の歩き方に載っていたカフェへ行きました。また英語が通じなかったらどうしようかとドキドキしながらお店に入ると、そこだけ東南アジアではないようなお洒落な空間が、暗闇の中にぽわっと灯る優しい明かりに包まれ、ぽつりと存在していました。どうもここのオーナーさんは顔が日本人みたいだなあ。ラオス人と日本人は顔が似ているのかしらとか思っていたら、「日本人ですか?」とやたら流暢な日本語。なんとオーナーさんは日本人でした。


 メニューもいろいろあったのですが、安心感からか頼んでしまいました、冷やし中華。懐かしい日本の味、そして日本語、日本人。英語が通じないと分かった瞬間の不安などどこかへ吹き飛び、明日もこのカフェ来よう!と決めたところで、


「今日で終わりなんです。」


という残念すぎるお知らせ。お店のオーナー兼店長だったけれど、お店の利権を売ってしまう、とのことで図らずもある意味最後のお客さんになった私は、お店の片付けが終わったあとに一杯飲みに連れて行っていただき、次の日日本に帰るために乗るというバスの時間までサワンナケートを案内までしてもらうというラッキーガール。自分の運の良さと店長さんの優しさに心から感謝したのでした。



真ん中をこすって良い音が響いたら幸運が訪れるんだって。


 この店長さんに、これからビエンチャンへ行くと伝えると、それならぜひ行ってほしいカフェがある、と。そのときに紹介していただいた場所に、ちゃっかり住み込むことになろうとは、この時誰も予想していなかったことでしょう。もちろん、私も。



 さて、サワンナケートの観光を楽しみ、店長さんにお礼を言って宿に戻ると、






部屋の窓割れてました。(左上)

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