【Part 3】 「26歳、職ナシ、彼女ナシ、実家暮らし男子が、とりあえず、統合失調症になってみた。」

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 第二章~右往左往紆余曲折大学生活~




 大学一年生




・一人池田屋事件


・「大学ってこんなにもモラルが無いの!?」


・「この世に正しい日本語なんてありません!」


・白い染みつきジーパンに、赤いフリース。


・オシャレオタク、ひろとの出会い。


・とりあえず、「FINE BOYS」読んどけ!」


・「結婚相手の見つけ方」






 大学二年生




・カウンセラー三浦先生との出会い


・演劇研究会より愛を込めて


・くわばらかずや、カオポイント石橋に出会う


・人見知りの鎧を脱ぎ棄てて




 


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 大学一年生




・一人池田屋事件


 一人暮らしを始めて、初日。引っ越しの直後に四〇度の熱が出た。そこから、五日間、外出する事が出来ず、家に閉じこもっていた。


 ご飯を解凍しようと思い、電子レンジの電源を入れたのだが、動かなかった。自分は、部屋の中で大暴れをした。その様子を聴いていた管理人さんが駆け付け、自分に電子レンジをプレゼントしてくれた。本当に、この管理人さんには、お世話になりっぱなしである。足を向けて眠れない。


 五日後、やっと熱がひき、外に出れる状況になった。


 その日は、しとしとと雨が降っていた。自分のアパートの前には、一〇〇段の階段があり、真ん中にスロープが設置されている。


 「自転車用なので、気をつけてください。」


 と言われているのも気にも留めず、自分は、真ん中のスロープに足を掛けた。


 五日ぶりの外。テンションはMAX。


 自分は、加速して行った。


 踊り場の時点で、尻もちをつけば、あんな大惨事が起こらなかったはずだった。


 しかし、自分は、身体を前のめりにしてしまった。二度。


 目の前に、管理人さんの表札があった。そこで身体の右を差し出し、壁に激突した。


 衝突。とは、この事か。


 血が、右目の一センチ辺りから、ドクドクと流れている。自分は、


 「ゲーセン行けるかな~」


 と、悠長に思っていた。


 とりあえず、右手が痛い。


 ゲーセンでやる予定だった、ドラムスティックを拾い上げ、部屋に戻った。


 今度は、真ん中のスロープではなく、階段を使って。


 右手がとんでもない痛みと、止まらない血。どうしたらいいんだろう?と思っていると、一本の電話が。管理人さんだった。


大家さん
「あのぉ~、家の前にある血の跡は、くわばらさんのものですか?」
くわばら
「はい、そうです。」
大家さん
「すぐに向かいます」



 事なきを得た。あと、三ミリでも右目を反り返すことが出来なかったら、

失明していたかもしれない。結果、十五針を縫う大けがになった。


 送り迎え、費用等、すべて管理人さんが手配してくださった。


 自分はこの一件を、「一人池田屋事件」と呼んでいる。






・「大学ってこんなにもモラルが無いの!?」


 こんな波乱な幕開けとなった一人暮らし。でもまあ、大学に行って、真面目に勉強して、どこかの企業に正社員として入社すれば、親も許してくれるだろうと考えていた。


 今思うと、「何を持って、許す」なのだろう。と、ふと考える。


 正社員として入社しても、今までのように仕事が務まらなくなり、退社するようでは、「許さ」れる事はないだろう。そもそも、正社員でなければいけないと思っていたのは、自分だけだった。


 ただただ、健康に生きてほしい。病気と向き合って、付き合って、ちょっとずつ、社会復帰してくれれば。それが大半の親の言うとおりだと思う。


 そんな気持ちを持ちつつ、最初の授業に挑んだが、まあ~~~~~モラルが無い!うるさい!


 「喋っているなら出てけ!!」


 と、言える勇気もなく、その場で半狂乱になってしまい、授業中に暴れまわるという、自分自身が一番モラルが無い状況になってしまった。


 あまりにもイメージとかけ離れた学校生活。「学校の一番偉い奴」という認識で、大学に入っているので、「一番真面目な生徒たちが集まる学校」だと勘違いしていた。


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