【Part 3】 「26歳、職ナシ、彼女ナシ、実家暮らし男子が、とりあえず、統合失調症になってみた。」
次に、BEAMSに行った。
休憩。
ドトールに15分。
結果、自分が服を買うまで、町田の街中を6時間かけずり回った。
剣道部に所属していたひろは、体力が有り余っており、自分は付いて行くのがやっとだった。
しかし、ある古着屋に入り、茶色のコートが目にとまり、買う事にした。
ひろの絶賛に、自分は陶酔した。
四千円あれば、ゲームが四十回出来る。と、思いもしたが、ひろは、洋服を買うまで、帰らせない。「とんねるずのみなさんのおかげでした」の、若手芸人に時計を買わせる企画さんばりのしつこさで、買う事を余儀なくされた。
別の日、その洋服を着て登校するのが、少し恥ずかしかった。
「こんな私が、大学デビュー!?」
とある有名バナーの女の人と同じ心情になりつつ、学校に到着すると、自分の想像していたリアクションとは、逆のリアクションが返ってきた。
慣れないヘアーワックスと、思い切ったアシンメトリーの髪型も手伝って、見事、ひろのおかげで、大学デビューを果たすことが出来た。
この事を話すと、ひろは、
と、しびれる言葉が返ってくる。
自分の唯一無二の友人、いや、親友が、なにを隠そう、このひろである。
・とりあえず、「FINE BOYS」読んどけ!
人と言うのは、一度褒められると、図に乗る。良く言えば、もっと褒めてもらいたい存在である。
もれなく自分もそうで、今まで18年間無縁だった「オシャレ」という部分が開花し、自分でも、洋服屋を巡ったりしたりしていた。
そんな時、ひろに手渡されたのが、「FINE BOYS」であった。
学校の図書館で、
と、手渡されたのを覚えている。
そう言ってひろは、仲間内の会話の中に入って行った。
自分は一人、黙々とFINE BOYSを読みあさった。芸人・エレキコミックのツッコミ怪獣担当、今立進(いまだち・すすむ)さんも大学生の時に愛読していたこの雑誌。何より、分かりやすい。ひろに教えられたのは、
と。
なるほどな~と思った。
RPGで、防具を入れ替えるのと同じ感覚で、自分の身をコーディネイトして行くんだと感じた。
ゲームが好きな自分は、すんなりと受け入れることが出来た。
・「結婚相手の見つけ方」
ゲームで言う、「頭を守る防具が売っている道具屋」を、現実世界に置き換えると、そこは、
「美容院」である。
美容院で出会った素晴らしい人がいる。町田にある美容院に勤めていらっしゃる方だ。
今は、自分が町田を離れて、実家に暮らしているので、髪を切りに行ってもらっていないが、その女性には、髪型だけではなく、本当にいろいろなことを教わった。
中でも印象的だったのが、
「結婚相手の見つけ方」
だった。
という内容だった。
自分は、今でもその笑顔を忘れていない。自分の今にも通じるところがある。愚痴愚痴と悪口を言い続けるグループと、テキパキと仕事が出来るグループ。どちらに所属したいか。答えは明白だ。だったら、あとは行動に移すのみである。
また、東京行くときに、髪、切ってください!ギッチギチのアシンメトリーでお願いします!!
大学二年生
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