「ある7月の晴れたさわやかな日のできごと。」⑦

「ありがとう」と言おうとしたが、すぐバタバタとかけていく音が聞こえたため、さゆりは言い逃してしまった。

「我ながらいい妹だ。」と思う。

さゆりと詩織は年が2つほど離れている。

現在さゆりは中学3年生。

詩織は1年生。


二人は仲がよい。

喧嘩は時々するが、取っ組み合いになるほど加熱はしないし、次の日には仲直りをしている。

特に仲直りをしようとはしない。

自然とお互いが話はじめ、すぐに笑い合っているそんな感じだ。


お気に入りの青と白のキャミソールに肌触りのいい綿でできた灰色のズボンに着替える。

言わなくても私のお気に入りの服を持ってきてくれるところが詩織のいいところだ。


さゆりは洗面台の鏡の前に立つ。

特に異常なし。

額にニキビはないし、肩にも特に赤みがかっているところはない。

ドアノブを回して廊下に出ると、ひんやりと気持ちよかった。

浴室の湿度は100%を超えていたに違いない。

リビングにいくと詩織が仰向けになって寝ていた。

彼女の両腕は左右に伸ばされ、右手にはうちわが握られている。

うちわにプリントされた浴衣のお姉さんが笑顔でビールを薦めている。

そうだったと言わんばかりに、さゆりは台所に向かうと冷蔵庫から麦茶を取り出し、ゴクゴクとコップで2杯飲んだ。

胃が冷えていくのを感じる。


【⑧に続く】


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