「ある7月の晴れたさわやかな日のできごと。」⑫

夕食を終えると皆、リビングでくつろぐ。

母も父も姉も、私も。

この時間が私たち家族にとって一番、気が緩む時でもあるし、自由な時間でもある。

家族会議はいつもこの時。

今日は金曜日だったから今週末、何するかを決める会議が行われた。


「来週の月曜日から3日間休みをとった。」

父がはじめに切り出した。


「時期は少しずれたが、山梨の実家に帰省するぞ。」

「あら、あなた今年は行かないとと思ってましたわ。」

と母は驚いたが、特に否定はしていないようだった。

「社長が気を使ってくれてな。取引先の仕事が終わったら、部下に引き継がせておくと言ってくれたんだ。」

そう語る父の側で詩織はさくらんぼが食べられると喜んでいた。


「私、途中まで自転車で行きたいな。高速に入る手前まで自転車で行かせてくれない。」

さゆりは中学のロードバイク部に所属している。

新緑の山の中を風を切りながらロードバイクで走りたい、そう思った。


「構わないが、峠を終えた後の最後のパーキングエリアまでだな。それ以上はダメだ。到着まで時間がかかるだろうし。」


「それでいい。」


父が最後まで言い終わるのを遮るかのタイミングで私は答えていた。




【⑬に続く】


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