「ある7月の晴れたさわやかな日のできごと。」⑭

天気は昨日に続き快晴。

またお昼過ぎには温度も高くなりそうで、朝のニュースは熱中症に注意するよう呼びかけている。

さゆりはナイフとフォークを使い、スクランブルエッグを切り分け、口に運ぶ。

スクランブルエッグに食パンと牛乳。

土曜の朝はいつもこんな感じ。

残すところ食パンを約二口というところで詩織がパジャマ姿のままリビングに入ってきた。

「おはよ。」

まだ眠そうだった。

詩織は朝食が並ぶテーブルではなく、ソファになだれ込んだ。

詩織は朝が弱い。

血圧が低く、いつも顔は血の気がなく、真っ白だ。

おそらく知らない人が見たら、あわてて救急車を呼ぶに違いない。

母が彼女の元へ、フルーツジュースを持っていくと詩織は体を少し起こしながら、ゴクゴクとジュースを飲んだ。

私は食べ終えた食器を洗い場へ持っていき、浴室で歯磨きをすますと二階の自室で着替え、外に出た。

今日のサイクリングで使うロードバイクを確認するためだ。

外に出ると父が既にロードバイクのタイヤに空気を入れていた。

【⑮に続く】

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