23歳、社会人1年目の僕が“うつ”で死にそうになり、8コ上の萌え声お姉さんの「そっか、あなたは○○をしたかったんだね」というたった一言に泣き崩れ、生きる活力をもらった話。
だからもう本当にボロボロになり、どうしようかワケが分からなくなった時、お姉さんに電話しようと決めていた。僕がまた会社に戻れなくなった日、昼時の渋谷駅で電話をした。
お姉さんは「間」で察する人だ。こんな時にピョンなんて言わない。繊細に間を察しながら、次の僕の言葉を待ってくれた。
間髪入れずに聞いてきた。こんなのは初めてだった。
私も仕事終わったらすぐに行くから、夜まで待てる?大丈夫?何かあったらいつでも連絡して。
そして夜、延々と僕が泣きながら会社の事や、自分の不甲斐なさを語った。お姉さんは、何も言わずに真剣に、「うんうん」と頷いてくれた。僕は不思議に思って聞いた。
お姉さんにも、こういった心の問題で身の回りの人を亡くした経験があったという。それも相まってか、自分に対しては、何倍ものチカラが出たんだと、後日談だが語ってくれた。
生きる活力が欲しい。そして言われた一言。
社会人1年目に休職となってしまった僕は、どうやら休職期間が3ヶ月しかないらしく、来月に出社するか退職するか、どちらの選択になるという事を人事の方から通達された。親としてはもう別のところでいいんじゃないか?と言ってくれていた。
先輩たちも上司も、正直この3ヶ月は接しにくそうだった。そりゃあそうだ。うつになった人なんてあまり見る事はないだろうし、みんな隠すものだけれども、僕は大々的に休んでしまったから、バレバレなんだ。
「この子はうつだから・・」そんな風に見られる目線が、僕は一番痛かった。また休職してしまった原因も、そんな風に“かわいそう”な目線で見られたのが辛かったところもある。
でも、この先どうすればいいんだろう?
僕は、とにかく不安だった。1回目の時よりも段々と良くなっているのは分かる。でも時々夜にやってくるどうしようもない不安感と、自分がここにいる意味が分からなくなる焦燥感。それがやはり消えなかった。
蒸発したい。帰り道の電車の中でそう思う日が続いた。そんな、また頭がぐるぐるして、泣きたくなった夜にお姉さんに電話をした。23時だった。
とにかく、先が見えないことが怖かった。仕事を辞めれば、また仕事を探さないといけない。本当に自分の情けなさばかりを感じる1年だった。
何も出来ない。何もやること、なすこと、全部ダメで最低で、誰にも評価されなくて、それが自分なんだって本気で思っている。みんなだってそう思っている。それも無理は、ない。
そんな事を延々と伝えた。またぐしゃぐしゃに泣いてしまった。
全部を聞いてくれたお姉さんは、そして一言、命に水を注ぐように僕に伝えてくれた。
それを聞いた途端に、心の中が「そうだーー!!!」って叫んだ。
そして、また泣いた。今度は闇の中で孤独で辛くて泣くような、泣き方じゃなかった。光を見つけて天に向かって叫ぶように泣いた。
僕は本当に嬉しかった。そうだ、そうなんだ。僕はこんな生き方をしたいわけじゃない。もっと大きな生き方をしたいんだ。分からないけれども、自分が本当に向かいたい道に、まっすぐ進みたいんだ。
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