読み方わかりにくい曲独楽師 三増巳也が わかりやすく曲独楽の現状について説明しようと頑張ってみた
曲独楽師の読み仮名は、きょくごましです。
三増巳也、私の芸名ですが、読み方は、みます みや、です。
三増は、師匠の三増紋也から頂きました。
三増流、という曲独楽の流派で、曲独楽のプロとして現在最も大きな流派です。
曲独楽、これはきょくごま、と読みます。
コマの曲芸をするための鉄製の心棒を使った木製のコマの事を言います。
曲独楽は山の中で生きる人が、人の暮らしに必需品である器を量産するロクロの技術を高めて行き、時代の変化につれて町の人との交流で発展してきた鉄を使いこなす知恵や、器の価値や保存を高める漆塗りの手法などを使いこなし、遊びの中にもその手わざを存分に生かしていた結果それぞれ木地師、塗師、曲独楽師という分業になっていき、江戸時代の末期に江戸で娯楽として完成したのではないか、私はそう考えています。
盛んであった頃の江戸後期の興行は大規模な水芸や奇術、力持ち自慢の曲芸などがある総合的な形を取っていました。美貌で人気があった曲独楽師を看板芸人とし、手工芸の技術で舞台用のセットや効果を派手に演出し、黄表紙本や流行の話題を取り入れた演目を宣伝ビラの錦絵にしてお客さんを集めていました。流行の末期にはお客さんが入りすぎて寄席の二階が抜け落ちたという記録もあります。
しかし、文明開化後は、西欧諸国から入ってくるサーカスなどに客を奪われて小規模化し、同じ大衆に支持されていた講談・落語と共に寄席で演じられる純粋な独楽の芸として残ってきました。
主な曲独楽の芸の種類は、日本刀の刃を渡る刃渡り、扇子の紙に乗せる末広、絹糸の端から端を渡る綱渡り、紐を巻いて投げる紐打ち、吊り行灯を割り開く万燈などがあります。
しかしながら、木材を利用する文化が衰退した現在は、この曲独楽を作る為の技術の維持に高額の費用が必要な為、曲独楽師が使用する曲独楽は貴重である為に高価格になり、芸の継承に大きな負担となっています。
2015年現在で曲独楽の製作ができる人は4人、危機的状況です。
芸をお届けする側の魅力を高める為の努力は、私たち曲独楽師それぞれが、自分たちなりにできますが、曲独楽を作る事については、どうにもお助けする事ができないのが、悲しい現状です。
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