第10話 人生を変えた旅ペルーⅠ【少し不思議な力を持った双子の姉妹が、600ドルとアメリカまでの片道切符だけを持って、"人生をかけた実験の旅"に出たおはなし】

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もう、うまく書けない。



けんちゃん、ありがとう。





序章 つながるピース



そして今度の”前兆”は、また一冊の本から始まった。



「早く、早く、旅に出ないと.....!」



ハッと我に返る。まただ。



その時私は、強迫観念のような、もしくは強烈な第六感のような

「早くどこかに出ないといけない」という思いに駆られていた。



早く旅に出たい!ワクワクする!



そんなニュアンスの心躍る想いよりも

それは何かもっと違う、



ー絶対出ないといけない場所がある。



みたいな、差し迫った感覚だった。

こんなの初めてだ。



一体何なんだろう。気のせいかな?



でもそろそろ旅の準備をしないといけない。

それより一体、どこに旅にでるんだろう。



卒業してから半年以上たっていた。

もうすぐ季節は冬だ。



”2013年になる前には、絶対旅に出る!”



なぜかそれだけは決めていたけれど、そこからどうも一向に進まない。



1ヶ月と少しでその2013年が来るというのに、

まだ行く国も決まっていなかった。




今流行のボリビアのウユニ塩湖





自分探しにもってこいのインド





バックパッカーの聖地タイ....




パラパラと賑やかな国の写真をめくっていく。



とりあえず、今日古本屋で買ってきたばかりの「旅のhow to本」を読んでいた。

だけど、どこを見てもピンとくる場所はない。



そして今回が初の一人旅だ。

一体何を持っていけばいいのか、どうしたらいいのか、旅の勝手も全然分からない。

そして肝心の場所も決まらないなんて....。



一体どこに行くんだろう?大丈夫かな.....。



せっかく買った旅本も進まないまま、不安になってくる。

”ーどこかに行かないといけない”そんな謎の勘だけが頼りだった。




まほ
あ!そうだ!

古本屋に行った時、もう一冊買った本があったんだ。




ふと、今日旅本と一緒に、もうひとつ本を買っていたのを思い出した。

床に転がっている古本屋の安いビニール袋をたぐりよせる。



分厚い背表紙、表紙の女性の写真が印象的な本。

題名は「アウト・オン・ア・リム」と書いている。






それは、まさからオススメされた本だった。




まさ
アルケミストの次は、この本読むといいよ〜。



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