第10話 人生を変えた旅ペルーⅠ【少し不思議な力を持った双子の姉妹が、600ドルとアメリカまでの片道切符だけを持って、"人生をかけた実験の旅"に出たおはなし】

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よく考えると、お金も貯まっていないし、ペルーのこともよく分からない。

スペイン語も分からないし、旅の準備も何もできてなかった。



だけど、”行く”と決めてから、不思議なことが次々起こるのだ。

まるでペルーに導かれているように、ペルーへのピースが揃っていった。



最初のピースは、専門学校の時の親友あやからの電話だった。



あや
まほ、もうすぐペルーやんな!ペルーに旅した人見つかったで!



あや
おかんがたまたま高校時代のクラスメイトに会ったらしくて、その人が、ペルーを旅したことあるんやって!

京都の人やけど、よかったら連絡先聞いたから繋げるな〜!色々聞いてみたらいいわ。



まほ
えっ!ほんと!ありがとう!!すごく助かる!



そうして突然、「親友の母親の高校の同級生」という

ずいぶん遠い繋がりの”まきさん”という女性を紹介してもらうことになったのだ。



私の周りには、ペルーに行った経験がある人はいなかった。

その”まきさん”が、初めて”ペルーの情報”を運んでくれる貴重な人だった。



しかし、何度かメールでやりとりをした後は、

段々連絡するどころじゃなくなってきた。



あと1ヶ月で旅に出るというのに、お金が全然貯まってなかったのだ。

毎日、旅費を貯めるためにバイト三昧だった。



ペルーについて調べる暇もないまま、日にちだけが過ぎていく。



そしてそんな仕事ばかりの日々に、まきさんから一通のメールが届いた。



それは、まきさんがたまたま用事があって京都から東京へ来る、というものだったのだ。



会って直接話ができるなんて、こんなチャンスはない!

この日を逃すものかと、なんとかバイトを調節して、まきさんに会ってもらうことになった。




まきさん
まほちゃん??うわ〜〜!会えて嬉しい!

お金貯めるのに必死で全然用意してないでしょ〜!ははは。大丈夫なの〜??




初めて会うまきさんは、お母さんと同い年と思えないくらい

気さくで可愛くてとても素敵な人だった。



会った瞬間から、お互い意気投合した。

そして話していると、まきさんとは不思議な共通点もあったのだ。





まきさん
私がペルーを一人旅したのもね、まほちゃんと同じ25歳の時なんだよ。

何か私も、もう一回旅の続きをやるみたい。不思議な感じ。





偶然にもまきさんが旅したのは、20数年前、私と同じ歳のときだった。



まきさんは嬉しそうに初めての一人旅のことを話してくれる。

当時描いたスケッチからは、まきさんが25歳の時見たペルーの風景が溢れていた。



ペルーの旅のことを話すまきさんの顔はキラキラしている。

とてもいい旅をしたのが分かった。




まきさん
まずね、マチュピチュは行ったほうがいいよ。でもマチュピチュよりこの山もいいのよね〜!

あとクスコは高地だから寒いからね。重ね着できるようにね!あとね…




まきさんは丁寧に、貴重なペルーの情報を教えてくれた。

訪れたほうがいい場所、天候や服装、ホテルのことまで、事細かく教えてくれる。



本で読む情報より、とてもリアルで役に立つものばかりだ。



まきさんの口から語られるペルーの情報からは

広大な風景や、アンデスの空気が広がっていく。



遠かったペルーが、ぐっと近くに感じる。




まきさん
そうそう!素敵な人を紹介してあげる!現地に誰かいると安心でしょ。




まきさん
リョニーさんっていう、私と同い年のペルーの人なんだけど、彼、以前日本の大学で教えてたこともあったから日本語もうまいよ!彼に会うといいよ!




そして、リョニーさんという方も紹介してもらえることになったのだ。





現地の人を紹介してもらえるなんて、

ペルーに知り合いもいない私にとって、とてもこころ強いことだった。



まきさんとすっかり盛り上がって、お店を出た時はもう6時間もたっていた。

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