3.11の記憶。そしてこれから。

平凡な日常

あの日、私は東京の有楽町でお客様と商談をしていました。それまで何一つ特別な事のない日常でした。14時からお客様に自分の提案を説明し、今後のことを、ある程度予測出来る範囲で話していました。たぶん、今回の震災がなかったら、なにひとつない、普通の日常だったと思います。

説明も一通り終わり、具体的なサービスのデモに入った時でした、はじめの瞬間は、「お!大きい(地震)」位の感覚でした。しかし、次の瞬間、両足を踏ん張り、壁や机に掴まっていないと立っていられない位の衝撃を受けました。自分の人生で経験するとは想像も出来ない位の揺れを感じました。

ビルは「ギシギシ」と音を立てて揺れ、本棚の書籍は落下し、瞬間的に、自分が生き残るために最善の策は何なのか?頭がフル回転していたことを覚えています。

余震は続くもののとりあえず、地震が収まったので、お客様が持っていたがワンセグでニュースを見始めました。

リアリティを感じられない私

正直な話、はじめ、私には実感がありませんでした。

テレビから入ってくる情報も、Twitterで入ってくる情報も

情報としては事実なのですが、私にはリアリティを感じられませんでした。

津波の映像も、時間とともに増えていく被害者の数も、

東京に住んでいる私には、まるで映画のワンシーンを見ているかのようで

頭で理解できていても、心では実感できなかった。

とりあえず、私の周囲10m位は物が落下した位で命に影響を与えることは何一つなく、徒歩で帰宅したり、コンビニから物がなくなったり、停電・節電が一時的に起こるものの、東京で住む私には一時的な混乱としか捉える事ができましせんでした。

リアリティのない当時の私は、当事者意識を持つことが出来ず、

次の日、なにごともなく会社に出社しました。

電車の乱れ、会社での震災対応を急ピッチで行うものの、

決して生命の危機に直面しているわけではなく、

状況に合わせて、その瞬間行える仕事を黙々と行っていました。

変化する私の心

あの日から2年の間、いろいろな事がありました。

私の妻が福島県出身ということもあり

福島県への支援物資を買い支援センターに届けに行ったり、

個人的に開催している音楽イベントでチャリティー企画をして

その売上を寄付したりしました。

その間、私は今回の震災のことを知ることになり、特に、実際に、福島県の美浜通りを実際に訪れ、全てが流された場所を目にし、福島県の親戚に現地の実情や、原発への不安を直接聞いた時、

私の中にリアリティが目覚め、私の頭に震災直後に

なにも行動できていなかった自分に疑問を感じるようになりました。本当に私にできることは何も無かったのだろうか?何か一つ位出来た事があったのではないだろか?日本にいながら私は何をしていたのだろうか?

STORYS.JPだから出来ること

今回、この企画を発案したのは私です。

2年前、日本にいながら私はなにもすることができなかった。

そんな気持ちが私の頭の片隅にずっと残っていました。

STORYS.JPを今年立ち上げ、ストーリーの持つ力を実感し、

STORYS.JPの持つ、

「FacebookやTwitterでは伝えられない過去の投稿をする文化」だからこそ出来る事、

「自分の人生のストーリーを通して世界に革新を起こすコンセプト」があるから出来る事、

小さなことでも何かあるのではないか?と思い、この企画を発案しました。

しかし、正直、今回のこの企画を行うことにチームで悩みました。

「サービスを宣伝するためにやっていると伝わってしまうのではないか?」

「被災者の方の思い出したくない感情を呼び起こしてしまうのではないか?」

「STORYS.JPでやる社会的意義があるのだろうか?」

僕らは悩みました。でも、僕らは、あの日の記憶を風化させてはいけない。この想いだけはチームで一致していました。

これはSTORYS.JPだからこそできることだとも思いました。

正直、僕らは不安です。どうなるかわからない。

「サービスを宣伝するためにやっている」と伝わってしまうかもしれない。

誰も書いてくれないかもしれない。

社会的な意義もないのかもしれない。

僕らがやるべきじゃないかもしれない。

正直、僕は今日一日不安な気持ちで過ごします。

しかし、この先の未来は、僕らの世代であり、このストーリーを読んでアクションしてくれる皆さんとで創り出していくしかない。と思っています。

今回のこの企画に悩みながらも、賛同してくれたチームのみんなにこの場を借りて感謝を伝えたい。

そして、このストーリーを読んで、私たちの想いに共感して、アクションを起こしてくれる

あなたに感謝を伝えたい。

本当にありがとう。

あの日の記憶を風化さないために。

僕らは僕らにできることをして前に進みます。

僕はあなたのストーリーを待っています。

2013.03.11 大塚雄介

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