初めて自主的に机の下に潜った日のこと

避難訓練は腐るほど経験してきた。小学校、中学校、高校でたぶん30回以上やってきた。避難訓練というのは僕にとってただのイベントで、とりあえず机の下に潜って隣の友達と雑談するだけの小休止にすぎなかった。そんな僕でも、あの日は初めて自主的に机の下に潜った。2011/03/11のことである。

その瞬間、僕は会社にいた

昼ご飯を買いにいって会社に戻ってきた瞬間、床がうねるように動いた。窓の外のビルもぐにゃんぐにゃん動いていた。「これはやばい」と思い、初めて自分で机の下に潜った。本当に初めて自主的に潜った。脳裏に漫画ドラゴンヘッドのシーンと彼女(現嫁)の顔が浮かんだのを覚えている。とにかく死ぬかもと思った。初体験の自分ですらそう思ったのだから、神戸の震災を経験していた人にとっては堪え難い恐怖だったと思う。

その時、僕は仕事をした

揺れが収まっても、社内のざわざわした雰囲気は結構続いた。僕は何をしたかというと、仕事をした。締め切りがヤバいのがあって、彼女に連絡しようとしてもどうにもならなかったし、とりあえず今まで通りしておこうと思ったのだ。
正直、事の大きさをちゃんと理解できていなかったのだと思う。作業の合間に調べてみてすぐに理解したわけだが。

その後、僕は家に帰った

一番最初にアップされたアルジャジーラの津波動画を見て、これは家に帰ろう、と心に決めた。幸い、毎年5日間かけて300キロ歩いていたので、家まで15キロ程度歩くのは全く問題なかった。とにかく家で家族に会って、落ち着いて知り合いと連絡を取りたかった。ちなみに彼女は大学に行かず家でまったりしていたらしく、とても安心したのを覚えている。

現在、僕はこう思っている

ありがちだが、いつ死ぬかわからないということを常に意識するようにしている。毎日をもっと有意義に。言い方は悪いが、自分のモチベーションの一つにしている。なので、正直3/11に震災のことを祈るというのはちょっと違和感がある。なぜなら、自分の行動を決めるひとつひとつの思考に震災の経験が影響していて、そういう意味では常に考えているからである。今日もちゃんと考えて生き抜く、それだけでいいのではないかと思っている。

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