「ぬいぐるみ」×「旅行」というビジネス (前)

今回は、「JTB旅ガタリ」で自分の旅の話を書いたのですが、「ぬいぐるみも旅行させていたこと」を思い出して、ビジネスの話と合わせてぬいぐるみの旅の話をしたいと思います。


スタート!「面白いんだけどね、ビジネスになるの?」

私は新聞記者、ジャーナリストとカメラマンをしながら「ぬいぐるみを旅させる」ビジネスをしています。会社は「ぬいたびー」といいます。「ぬいたびー」とは、「ぬいぐるみ」×「たび」を合わせた造語です。

内容は、「人からぬいぐるみを預かり、観光名所などを背景に写真を撮ること」です。職種分類でいつも悩むのですが、税務署に相談したところ「写真家でいいんじゃない?」といわれたので、カメラマンと言っています。世の中の写真家の皆さんごめんなさい。デザイナーの友達には、「背景との合成?」と聞かれますが、違います。本当に連れて行っています。

最初に聞かれることが「需要あるの?」ですが、「無いわけではありません」としか言えません。一カ月に100件とか注文があるわけではないからです。

私は2013年の10月に始めたのですが、このビジネスはすでに老舗が1社、NPO法人が1つありました。日本独自のもので今のところ女性経営者ばかりです。現在は、何社あるのかわからないくらいたくさんあります。

「ぬいたびー」写真:2014年福岡でのJリーグの試合。持ち主に代わって応援に来たという設定)

会社を設立した時に、コンサルタントにビジネスの方法とか広報の相談に行きました。最初に言われたのが「アイデアは面白いんだけど、それってビジネスになるの?」というネガティブな意見。「そうですよね」とか言いながら、銀行で口座を開くときと同じように市場とかマーケットとか説明しました。

売り上げ目標もどうやって決めればよいのかわからなかったので、「初年度は100万を目標に・・」と言ったら、コンサルタントに「そんな低い目標金額の相談を受けたことがないよ。女性らしいよね。まぁ確かに、年商3000万円は無理っしょ」と苦笑しながらいわれました。結構カチンときたのですが、その悔しさのおかげで今も続けられています。

そこで紹介されたのが、「知ってもらうためにできることから始めよう」ということです。

ホームページを作ること

Amebaブログを開設すること

Facebookをやること

早速、やりましたが、ホームページって難しい・・。ただいま絶賛、更新サボり中です。ブログとSNSはどうにか更新中です。実際、1年目は「ぬいたびー」だけで100万円なんて到底無理でした。


ぬいぐるみの旅行社について

ここからは、私の意見なので「反論したい人もいる」という前提で書きます。表面上のことだけ書いても面白くないし、マスコミがこのビジネスを紹介するときは切り口がいつも同じでつまらないと思っているからです。だから、自分で説明します。

「ぬいぐるみを旅行させるビジネス(ぬいぐるみの旅行社)とは何か?」と聞かれると「持ち主の代わりにぬいぐるみを旅行させる代理ビジネス」と答えています。古くは「お伊勢参り」、新しくは「アメリの小人」。「お伊勢参り」には、有料代行もあったそうなので、「ぬいぐるみの旅行社」のビジネスと似ています。

ただ、「ぬいぐるみ」が絡むと事情が変わります。ぬいぐるみはとても「パーソナルなもの」「センシティブ」「嗜好」が絡むので、感情、倫理面で複雑な気持ちになります。たとえば、自己紹介も人を選びます。自分の仕事にプライドを持っているのですが、相手のことを考えてついつい打ち明けなかったりします。嫌われたくないですからね。このあたりの事情はお酒でも飲まないと話せません。

(「ぬいたびー」写真:2014年鳥栖。親切な人にみかんをもらって試合前に腹ごしらえ中という設定)

もうすこし、仕事の内容を紹介します。

現代版「お伊勢参り」である「ぬいぐるみの旅行」の旅行先は、撮影主の住所近くまたは、撮影主の旅行先が多いようです。最近は、この辺りもフランチャイズ化?のような仕組みがでているので、なんとも言えません。

見学先は、人間のツアーと同じように「東京タワーに上って、雷門に行って・・」と決まっています。もちろん「おまかせコース」もあります。申し込む前に分かるもの、申し込み後に相談して決めるものなど人間と同じようになっています。

人間が行くわけではないので、重要なのは写真です。写真の構図は、人間とほぼ同じです。「観光名所と一緒に正面を向いて」というのが多いようです。この構図というのは、「撮った写真をどのように公開するのか?」に依存するので、SNSなどであれば「正面」が多いと思います。私は、写真集を納品しているので、アイドル写真集と同じのりで作っています。これは本当に好みの問題。

(「ぬいたびー」写真:持ち主の代わりにスタジアムに来た設定。大事なのは後ろの観客席なので、ピンとは後ろに)

ぬいぐるみの旅行スタイルにも種類があり、「団体、個人」があります。団体旅行のよいところは、「知らないぬいぐるみと自分のぬいぐるみが仲良くなっているような写真ができる」というところです。修学旅行っぽい感じです。

ただ、これは持ち主の好みもあると思うのですが、人間の旅行も「ツアー好き」と「個人旅行好き」がいるようにぬいぐるみも同じだと思うので「選択肢がある」って大事だと思います。

皆さんが一番興味のあるサービス提供金額(値段)ですが、999円から30000円まで幅があります。このあたりは、人間の旅行代金と同じで、キャンペーンで特別に安くしているなどの理由の「1000円」から、うちですが「30000円」までさまざまです。団体ツアーの場合、人数が多いので参加しやすい金額に設定されています。

この2年の変化はとても大きく、テレビや新聞などで取り上げる機会が増え、メジャーになったことで「ぬいぐるみの旅行」ビジネスも労働に見合った対価がもらえるようになってきました。これは先人のおかげなのですが、すごく感謝しています。

次回は、もう少し、ぬいぐるみの旅行業界の話をしたいと思います。

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