第25話『約3ヶ月の寝たきり生活』 大手企業で重度のうつ病を発症し、里帰り出産の妻から離婚され、約一年間自殺願望の消えなかった僕に深い愛情で接してくれた両親のおかげで、うつ病克服専門心理カウンセラーという天職に出会えた話

前編: 第24話『第4章 うつの大波、そして離婚へ・・・急にうつの大波がやってくる』 大手企業で重度のうつ病を発症し、里帰り出産の妻から離婚され、約一年間自殺願望の消えなかった僕に深い愛情で接してくれた両親のおかげで、うつ病克服専門心理カウンセラーという天職に出会えた話
後編: 第26話『彼女は里帰り僕は実家へ』 大手企業で重度のうつ病を発症し、里帰り出産の妻から離婚され、約一年間自殺願望の消えなかった僕に深い愛情で接してくれた両親のおかげで、うつ病克服専門心理カウンセラーという天職に出会えた話

 この時期には引越しがあった。なぜかというと、僕たちに子供ができたからだ。うつで性欲がなかったが、彼女が子供をほしいというので、子作りに励んでいた。そして、いとも簡単に子供ができてしまった。この頃は妊娠6ヶ月ということもあり、今の家では狭いので、彼女が引越しをしたいと言ったのだ。





 僕がこんな状況で引越しなんかできるわけがないと言っていたが、彼女の意向でがんばって引越しをすることになった。引越し先は、3LDK家賃8万円の賃貸住宅。僕たちにはもったいない物件に思えた。しかし、彼女はそこがいいというので、そこに決定することにした。


 引越しには色々やることがある。不動産屋とのやりとり、引越しの手続き、入居・退去時の手続きなど、やることは山ほどあった。僕たちは物も多かったので、引越しにはずいぶん苦労しそうだった。それで全部引越し屋にお願いすることにした。僕も動けないということで、それがいいと思った。





 この頃は、一番辛かったと思う。動かない体をなんとか動かして、率先してやってくれる彼女のサポートをしていた。銀行口座の住所変更やインターネットの手続き、会社への連絡など、とても今の状態ではできるわけがないという仕事が待っていた。通常の僕ならなんていうことはないのだが、うつで苦しんでいるときは、とても無理なことのように思われた。





 それでも自分で動かなければ引越しはできない。このころには精神発作も出てきて、とても辛かった。精神発作というのは、僕の造語だが、パニック障害とかの発作の精神バージョンと考えてもらえるとわかりやすいと思う。過呼吸で死んでしまうとか、うずくまって動けなくなるとか、動機が速くなるとかいうことはなくて、精神的に発作が来るのだ。大きな絶望感がやってくる。将来の不安に極度におびえる、気分がとても憂鬱になるなどの症状だった。これが出たときは、3時間くらい横になっていないと治らない。死をも考えさせられる、とても辛いことだった。





 引越しのときもたぶんにもれず精神発作が出たが、それを強引に気力でねじ伏せていた。本当に死ぬ思いだった。


 そして、引越しもなんとか終わり、そこからまた僕の寝たきり生活が始まった。1日中天井を見て過ごす。何もしない。何もできない。何もやろうという気が起こらない。植物状態のようだった。





 ここまで献身的に診てくれた彼女もいい加減に愛想を尽かし、あまり心配してくれなくなった。そのかわり、文句が多くなった。「いったいいつまで寝ているの?」「会社にはいつ行くの?」「子供の世話はできるの?」と僕に問い詰めてきた。僕は、「わからない」と答えることしかできなかった。彼女はそんな僕に対して、どんどん冷めていったようだ。





 そうして、ウルトラ地獄の3ヶ月をなんとか乗り切り、やっと回復にこぎつけた。僕のうつの一番の低期は、この時期だった。








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第26話『彼女は里帰り僕は実家へ』 大手企業で重度のうつ病を発症し、里帰り出産の妻から離婚され、約一年間自殺願望の消えなかった僕に深い愛情で接してくれた両親のおかげで、うつ病克服専門心理カウンセラーという天職に出会えた話

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