お墓参りとトイレ掃除、そして、反抗期について☆
私のお墓の前で 泣かないでください♪
そこに私はいません 眠ってなんかいません♪
一昔前に流行りましたが、この歌詞がたとえ真実であっても、
私がお墓参りを止めることはありません。
なぜなら・・・
それは、趣味だからです☆
講演でもお話したことがありますが、
私は「お墓参り」、厳密には「お墓掃除」が趣味です。
きっかけは、子供の頃、父から、
「お兄ちゃんは、将来どこで暮らしても良いし、何の仕事をしても構わないけど、お墓だけはみてや」
と言われたことでした。
実際、25年以上東京に暮らしていますが、
日帰りで「奈良&京都」までお墓参りに帰ることもあります。
でも驚くほどに、お墓参りに行くと、嬉しいことや不思議なことが沢山あります。
見返りを求めてやったことが今まで無かったと言えば嘘になりますが、
うちの墓石は結構古く、あまりゴシゴシやると危険で、
しかも24基もあるので、お墓掃除を始めると、
途中から思考が停止し、音が消え、最終的には無心、瞑想状態になります。
すると、不思議なもので、そのとき抱えている懸案事項の解決策が突然浮かんだり、
悩みが何でもないことのように思えてきたり、
また日帰りお墓参りから戻った数日後に、新しいプロジェクトの責任者になったり、
昇進の知らせが舞い込んで来たさえ何度もありました。
子供のころ、両親もよく不思議がっていましたが、
父が菩提寺の行事で出かける日は必ず、
父が居ないのに普段より店の売り上げが多くなったりもしました。
そして何より、一番不思議だったのは、
中学に入って間もない頃、両親と妹と4人で参ったときの出来事でした。
初めて一日で全ての墓石をゴシゴシやり、気分良く皆で手を合わせ、
私が暗記したばかりの般若心経を唱えていると、母が突然・・・
「これ、うちのちゃうか?」と、
今までうちのお墓だとは思っていなかった古い墓石を指差したのです。
急いで、苔と風化した土でドロドロの墓石を皆でゴシゴシやってみると、
我が家の苗字が浮かび上がり、お寺の住職さんを呼び、
過去帳で確認して頂くと、やっぱり我が家のご先祖様でした。
しかもその中には、数百年を隔て、この日を待っていたかのように、
私と妹の名前が一文字ずつ入った墓石まであり、
背中にスーッと何かが走ったのを今でも覚えています!
唐突ですが、『靴磨きとトイレ掃除』についてです。
これは今から20年以上前、あるお世話になっている方から、
「佐倉君、靴磨きとトイレ掃除は、一家の主の仕事だよ。
毎朝、君がやりなさい、いいね」と言われたことがきっかけでした。
ちなみに、トイレ掃除は、私がまだ駆け出しのサラリーマンで、
財務部で審査をやり出したころ、今では超有名な弁護士の先生に、
「佐倉さん、外資の人が聴いたら笑うかもしれないけど、
審査で取引先に出向いたら、必ずトイレをチェックしろと
今日のテキストに書いてあったでしょ。
あれって、結構、本当だから試してご覧、面白いから♪」
と、アドバイスを頂いたこともありました。
単に幸運だったのか、もしくは自分が毎朝トイレ掃除をやっていたからかは分かりませんが、
私が審査し、直接取引をした先は一軒も倒産しなかった為、
お陰さまで、自分で検証することはありませんでしたが、
ここ数年、トイレ掃除の本が巷に出回っているのを見る度に、
「やっぱり、あれは本当だったのかも」と思います。
靴磨きもトイレ掃除も、一心不乱状態でやっていると、かるーく瞑想状態に入り、
お墓掃除みたいに、数時間も掛からないので、お手軽で良いなとも思います。
ところで、両親に言わせると私には反抗期がなかったそうです。
個人的には、「とてもお利口だったから」と言いたいところなのですが、
理由は全く違っていました。
私の両親は、子供のころから、「勉強しろ☆」とか「ズル休みはやめなさい!」など、
一度も私を強制したことがなく、
私が「今日は気が向かないから学校を休みたいと」と言っても、
「お母ちゃんは、あんたのズル休みに加担するのは嫌だから、自分で学校に電話しなさい」
と言い放つだけでした。
つまり、うちの両親は反抗すべき標的を何も与えなかったので、
私には反抗すべき事柄が無かっただけのことでした。
そして、そんな両親が私に頼んだ”たった1つのお願い”が、冒頭にも書いた、
「お兄ちゃんは、将来どこで暮らしても良いし、何の仕事をしても構わないけど、お墓だけはみてや」
だったからこそ、「それ位はやってあげようか(エラソーですが)」と、
「お墓参りという名のお墓掃除」が趣味になったのです。
しかしながら、その素晴らしい方法論を、
大人になった自分が実践できているのかと言えば・・・
「自分がやって貰うと嬉しいことを、他の人にもやってあげなさい」
「自分がされたら嫌なことは、他の人にもやめなさい」
と、幼稚園でも言われるようなことさえ未だ出来ていないのが実情です。
長くなり、しかも本日は自分に言い聞かせる為の文章になりましたが、どうかお許しください。
著者の佐倉 英行さんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます