小学校6年生12歳、大文字駅伝と俺。

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京都市で生まれ育った人は

「大文字駅伝」

という駅伝大会をよく知っているだろう。

大文字駅伝とは2月に京都市の小学校から予選を勝ち抜いてきた小学校で争われる駅伝大会である。

子供はもちろんだが、保護者や教職員、学校関係者がこぞって参加したいと願う、京都市の一大イベントなのである。


僕が12歳、小学校6年生の春、当時の担任の先生に

「テレビに映れるかもしれないよ。」

と誘われて、陸上部に入部した。


しかし、我が母校の駅伝大会の成績はひどいもので、予選ですら最下位争いをしていた弱小チームだった。


そして入部した連中も、サッカー部の落ちこぼれだったり、僕と同じく甘い戯言に惑わされて入部した、

いわば予選突破できなさそうな連中であった。


しかし監督は僕らに期待していたようだ。

まずチームワークが良かった。

小学校のクラスは4クラスあったのだが、陸上部は全て同じクラスの同士だった。

遊ぶときも練習もずっと一緒にいた。

怒られるときも一緒だった。

楽しいグループだ。


正直、僕は大文字駅伝に出られるとは思ってはいなかった。

僕は目立たない生徒だったから、目立ちたいという思いが根底にあった。

自分を変えたい一心だったのかもしれない。

その方法が陸上部だったのだ。


夏を越したあたりから、急激にチームの力があがった。

チームワークのおかげであったと思う。

監督は「大文字駅伝」に出られるかもしれない、と色気を出してきた。

練習は過酷を極めていた。


我が母校には、マラソン大会という行事がある。

毎年やっているので、当然なのだが。


運の悪いことに、予選会とマラソン大会の日程が重なってしまった。

一大事だ。

小学生なので、マラソン大会は絶対参加しなければならない。

しかしマラソン大会で体力を使えば、予選突破など夢のまた夢。

今年もダメなのかと思っていた。


天気が味方をした。

前日まで雨が降り、予選会は中止順延となった。

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