【第四話】『彼らがくれたもの』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜

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彼女は、彼が店を出るときの最期の言葉を覚えていた。


「いい夢見ろよ!」


チョリーッス!みたいな手を添えて、笑顔でそう言ったらしい。


僕はその姿を簡単に想像することが出来た。




そしてその数日後、


彼の訃報が届いた。


悪い冗談だと思った。


また笑わせようとしているのだと思った。


そう思いたかった。


ほんの数日前、僕は笑顔の彼と一緒に酒を呑んだのだから。




死因は、急性心不全。


あっという間の出来事だったらしい。




数日前、笑いながら


「まじで死ぬかと思った!笑」


なんて言ってたやつが、

本当に死んでしまった…。


「いい夢見ろよ!」


と言ったやつが、

夢の中に逝ってしまった…。





そんな彼らが僕の頭に浮かんだ。


僕は、彼らの気持ちを考えてみた…。



あいつは、もっとバスケがしたかったんだろうな。


あいつは、みんなを見返してやりたかったんだろうな。



もっともっと、生きたかったんだろうな。



そう思った。



僕は、彼らに、彼らの両親に、彼らの周りの人に申し訳なくなった。




「おい…僕はどうしたらいいんだよ…?」



どんなに問いかけても、彼らは返事をしてくれなかった。



死を阻むもの…



そしてもう一つ、僕の死を阻むものがあった。


それは、姉の存在だった。



僕には、5個上と2個上の姉がいる。


僕の死を阻むのは、中でも5個上の姉の存在だった。



姉は、生死に関わる病気を乗り越えた人だ。


薬の副作用で手足が不自由な身体になり、

立ち上がることも、物を掴むことも出来なくなったが、

地道にリハビリを続け、杖をついて歩けるようになった。

現在は、就職をして、働いたお金で家を買い、

家族の手は借りるが、自分の力で生活をしている。



姉が病気になったのは、僕が小学校3年生の時、姉が中学2年生の時だった。



「お姉ちゃん入院することになったから…。」



少し前から体調が悪く、何度も病院に行っていたが、


「風邪です。」


と言われていた。


一向に良くならない状況に、

両親が大学病院に連れて行った。


大学病院に行ったっきり、姉は家にも戻れず、即入院だった。


両親は、まだ幼い残された姉弟に、

詳しい病状は話さなかった。


しかし、すでにこの時、姉の病状は生命の危機に関わる深刻な状態だった。


その日から、僕の家では、姉の病気との闘いが始まる…。


長くなるので、ここでは割愛するが、

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