自分探しの旅に出た大学生が見つけた、ただ一つの真実 ~最終話 ただ一つの真実~

前話: 自分探しの旅に出た大学生が見つけた、ただ一つの真実 ~第8話 見たことのある景色~

8日目 生還


「ガヤガヤ、ガヤガヤ」


マンガ喫茶のお客さんの声で、岩間は目が覚めた。


自分探しの旅、最後の日。

ついにこの日が来た。


「そうだ!自分探しの旅に出よう!」

と決断して、ついにここまで来た。

嬉しい気持ち半分、寂しい気持ち半分。


「さて、最後の最後まで気を抜かずに行こう。」

厚木のマンガ喫茶を出発した。


厚木から北上し、あの1日目に見た景色を通り過ぎていく。

懐かしく感じる。

ここまで数々の試練を乗り越えてきたためか、1日目に見た景色とまるで違うように思えた。


最後くらいは、「安全第一で」とゆっくり無理せずに進んだ。


・・・ついに無事、埼玉の自宅に到着。


「よく頑張った。お疲れ様。」


自分自身と自転車に声をかけ、自転車を降りた。

その時、体はボロボロだったが、岩間の心はとても穏やかだった。


「ただいま」


この言葉で、大学生の自分探しの旅は終わった。



自分探しの旅に出た大学生が見つけた、ただ一つの真実


この自転車での自分探しの旅では、たくさんの経験をした。


暗闇の恐怖が襲ってきた真夜中の爆走。

泊まるところがなく、真夜中に駅前をうろうろした御殿場での誤算。

星空を探した山中湖での野宿。

おじさんの優しさに感動した河口湖での出会い。

テレビみたいに知らない人の家に泊まった沼津での奇跡。

自分を応援し続けた箱根峠との戦い。


本当に書ききれないくらい、たくさんの出来事があった。

嬉しいこと、辛いこと、楽しいこと、寂しいこと、感謝すること、乗り越えたこと。


人生の縮図のような本当に素晴らしい旅だった。

この旅で経験できたことは、一生忘れることがない宝物となった。



そして、岩間は、この旅で探し求めていたただ一つの真実に辿り着いた。


その真実とは・・・




「自分探しの旅では自分を見つけられないが、太ももは競輪選手みたいに太くなる」




そう。

自転車で自分探しの旅に出ると、太ももは太くなるのだ。

8日間走り続ければ、嫌でも太くなるのだ。


この真実だけは、決して変わることはない。


そして、太ももが太くなった岩間は、また次の自分探しの旅に旅立つのであった。


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