さすが「ソープ」の塾長になる

石けんとは人間の歴史であり、化学であり、そして生活の一部である。


私がそう思うようになったのは、これまでの様々な経験があっての事でした。

最初に化学と本格的に触れ合うようになったのは、私が18歳で上京した事がきっかけです。

元々興味があった分野であり、私は化学の世界に没頭しました。

そうして24歳で電子材料科学の勉強を終え、大学院を卒業するまでの充実した日々を過ごしました。

卒業後は興味のある分野を中心に電機メーカー、繊維、素材メーカーなどで働くことになります。

色々な職種を経て、30歳で公務員に転職。自動車税関係の担当となりました。

安定した公務員の生活は平和です。

しかし、どこかでそれだけで終わっていいのかという思いを抱えていました。

そしてその思いは年を重ねれば重ねるほど強くなっていったのです。

そんな中で私はOさんと出会います。

Oさんはアロマセラピストであり、癒しのプロカウンセラーでもありました。

香りの世界に興味のあった私はアロマのレッスンを受けようかと彼女に相談したところ、

「それなら石けん作りをやらない?」

と誘われたことが転機でした。

石けんと聞くと女性的なイメージが強くなってしまいますが、実は石けんが固まっていく工程や仕組みは化学そのものです。

自分が元々好きだった化学の分野と、興味を持ったアロマ、そして石けんの世界。

それら融合した時に、私の中で何かが目覚めたようなそんな気がしました。

いざ実際にO先生と石けん作りをしてみると、そこは想像していた以上に新しい発見がありました。

理論では石けんを作るために材料と材料を混ぜ、加熱し、固め……と当然分かっています。

けれど、実際にパウンドケーキ型やケーキの型などで作る石けんは、やってみないと分からない楽しさに満ちていました。

完成までもただ型に入れて固めるだけではなく、楽しく会話をしながら石けんをかき混ぜる工程、アロマエッセンスやココアなどの食材を入れることが出来る点が

などは大学では学び得ない事でしたし、自分が作った石けんを優しく肌が洗えるレベルにまで温度管理をし、最新の注意をはらって計量をしている時間がとても心地良かったのです。

石けんの魅力に取り付かれた私は40歳の時に公務員を退職しました。

趣味を生かし、起業することに決めたのです。

そうして始めた石けん教室。

まだ右も左も分からない頃ですが、始めて間もない頃に知人のお母様であるYさんが教室を訪ねて下さいました。

「石けんを固めるのはプリンや氷を固めるのと似ているんですよ」

そうお話したところ、化学への敷居が低くなったのか、分かりやすいととても喜んで頂けたことは印象的であり、Yさんのようにさりげなく化学と触れ合える時間を私が作っているのならそれは素晴らしいことだと感じました。

石けんの歴史は紀元前3000年から続いています。

その歴史を引き継ぎ、化学の面白さと共に親しみやすく伝えていくのが私の今の仕事であり、使命だと強く思っているのです。

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