Love the way you are★つづき

第2章 人と人

登場人物
1、四季
2、腹の出っ張った女
3、リン

腹の出っ張った女は続けた。
「うん、バイト。全部終わったら20万。前払いで良いよ」
といって、茶封筒の中身のお金を四季に見せた。

四季は心の中で
「なんて危ないやつ。」と。
自分も大概だが。
そもそも初対面で、お互いにタメ口という非常識な人間同士である。

でも、物腰はとても柔らかい女だった。
命をお腹に宿った女性というのはみんなこんなに、、、なんていうか、あれなんだろうか?
そこんとこは、身ごもったことのない四季にはわからない。
そんなことを思っているうちに、また女が口を開いた

「わたしね、マリア様になりたいの」
。。。
また頭のおかしな事を言っている。

女性は人生において必ずクレイジーになる瞬間がある。
その症状は様々だが、男性には理解できない行動を起こす。
今は関係ないけど、ついでに言えば、女性には男性にしか埋められない心の世界もある。

四季はそれに関しては、科学的に証明出来るのではないかと思う。
とは言っても自分で追求する気はさらさらないけども。。自然現象ということで収めておこう。

"普通"という言葉がなんだか褒め言葉に聞こえにくくなった昨今、矛盾が産まれてきた。
世の中は混雑している。
やりたいことをして生きる事にも、普通に生きることにもリスクは同様にある。
だけど、普通に生きている人には通常、上手くすり抜けて生きているから、中々クレイジーな瞬間は訪れない。
いざ、陥ったら脱却するのに相当苦労するだろう。それはそれで現実で。

どっかの誰かが決めた、いかにも確からしい常識だけにとらわれてしまっては、いざという時に動けなくなる。それもまた事実。
そんなものは正直..........ごめん、クソくらえ!!!

とりわけ、こんなどうだっていい解説はこの物語には必要ない。
これはファンタジーだもの。
これは奇跡の物語だもの。

話を戻そう。
きっとこの女は今まさにそのクレイジーな時期なのだろう。

四季は「マリア様になりたい」発言は無視し、話題を戻して答えた。
「バイトってどんな?別に金にはそんなに困ってないんだけど」

女は返した
「あるに越したことはないでしょ?」
四季も返した
「まーそうかもしれないけど、あんまお金とか物とかに価値を見出せない人なんだよね」

そんなものに価値を見出す事が出来たなら、四季はきっとこんな十数年も精神安定剤にお世話になる事はなかっただろう。

その時。女は即決した
「決まり、あなたにお願いしたい」

四季は好き勝手生きてきた方だ。
変だと思っても、楽しそうと思えば食いつく。だから答えた
「まーいいけど、何がお望みなの?」

女はニコッと童顔の顔をくしゃっとさせて返した
「だから、マリア様になりたいの」と。
女の肌は白く、身長は低めでとても受けの良さそうな可愛い顔立ちだ。

四季とは正反対。
いつからだろうか、可愛い顔立ちの女性を見ても妬ましく思わなくなったのは。
年ですかな。。

その後。20万を渡され、
「明日の夜8時に田端駅の前で待ち合わせね、約束」
そう言って、女は私より先に階段を下り、どっかに消えてしまった。


気づけば時間は夜の9時半過ぎ。
ふと我に返り、受け取った茶封筒の中を覗いた。
本当にお金だ。
「あれ、」
お金の間に何か紙が挟まっている。
手紙の様なものだ。
少しは興味があるが、人のもんを興味だけで覗き見る趣味はないので、四季は三つ折りになっている紙をそのまま戻した。

しかし、家に帰りいつもの習慣を終え、クローゼットのダンボール箱の中で体育座りのまま、頭の中で女との会話を繰り返していた。

「なにかが引っかかる。なんだろう。とてつもなく大きな引っかかりがある」

いくら考えてもわからなかった。

薬が効き始めてうとうとしてきた時にふと、
四季が大好きな俳優のマイケル◯フォックスの言葉が頭をよぎった。

「神様、変えられないものを受け入れる平静さと、変えられるものは変える勇気と、そしてその違いの分かるだけの知恵をお与え下さい」と。

私も同じようにお祈りしてみた。
薬ではない、何か体の中から心地よい音が聞こえてくる。
ドックン、ドックン、ドックン。。。

四季はいつしか眠りについた。
差し込む場所を探している光が、ひょんなきっかけから急に動き出そうとしていた。

みんなの読んで良かった!

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