"Every moments has its music"

1 / 3 ページ

使っていなかったソニーのウォークマンを立ち上げた時にこんな文字が浮かび上がってきた。

“Every moments has its music”

真理だと思う。

思い出と、瞬間とリンクした音楽はこうも先に続く。

本郷三丁目を、ドビュッシーの「月の光」を聴きながら歩いていると、梅が咲いていた。

ふと、中学の卒業式のことを思い出す。

「泣くわけなんてないさ」なんて、いつもと同じように小突きあってた卒業式のリハーサル。

やたら白い光が射す廊下を並んで歩くときは、「緊張感」とは違った独特の切り詰めた空気があって、口をつぐむことしかできなかった。

赤と白に彩られた体育館に入場した瞬間の、光が飛び込んできて、視界が開ける感覚。

お辞儀の練習とか、卒業証書の受け取り方とか、もっと考えなきゃいけないのに、A組で出席番号が4番だったもんだから、すぐさま立ち上がることになった。

我ながら人生のベスト3に入る、いい返事だったと思う。(1,2がわからないけど)

少し緊張して恥ずかしかったけど、前だけを見て会場を回ってゆっくり座った。

呼吸を整えて、呼ばれる名前と、それぞれとのエピソードをなぞってみる。

C組の「わ行」の女の子まで行ったところで、ふと我に返る。

一同で礼をして、卒業式第一部が始まる。

そこからの記憶はほとんどない。

休憩を挟んで、合唱の部である第二部へと移る。

やたら合唱に力を入れる学校だったから、卒業式では学年一体となって、4曲の合唱曲を歌った。

「3月9日」

「旅立ちの日に」

みんなの読んで良かった!