女性の話にオチはない

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「昨日すごくびっくりすることがあってぇ」



誰も何も聞いていないのに目の前に座るメルヘン伊藤(仮名31歳女性)は

チョコレートを頬張りながら振り返ると自称すごくびっくりしたと言う話を

勝手にし始めた。

「晩御飯食べててぇ」

晩御飯を食べていてすごくびっくりしたとなれば もうあれしかない。

そうヨネスケだ。



ヨネスケが手に持つしゃもじの色、形、艶についての話であれ

ば 聞く価値があるかもしれないが残念ながらあのコーナーは

随分前に終了している。

となるとメルヘンの話を聞いてもびっくりする可能性は極めて低い。 

仕事の手を止めてまで聞くことはないと判断した私は

「絶対びっくりしない」

とばっさり切り捨てると会議の資料作りを続けた。

「本当にびっくりしたんですって!」

エンターキーを叩き、顔を上げると

必死の形相でびっくりアピールをするメルヘンがいた。

なぜ人はこうも飛べない高さまでハードルを上げてしまうのだろうか。

不可能だと思う高ささえ飛んでしまう鳥人ブブカ気取りなのかもしれないが

その豊満過ぎる体で2週間に1回はベストのボタンを飛ばしている姿は

どちらかと言うとおっぱい超人だ。

それでも、もしかしたら。

もしかしたら明日私と宮崎あおいが 電撃結婚するかもしれないくらいの確率で

ヨネスケじゃなくてノリスケが晩御飯食べに来て

「いただきます」

と言った次の瞬間、ちゃぶ台の下でカツオのナニスケに触れ

そのままヤリスケしようとしたら

波平にばっかもーんって怒られたなんて 言うびっくり物語を

話してくれるかもしれないと思い彼女の話に耳を傾けた。

「昨日晩御飯食べててぇ気づいたらぁ 一合食べちゃってたんですよぉ。

もう本当びっくり」

ギネス級のどうでもいい話だった。

びっくりしないだけでなく面白くもない。

寧ろその体で一合食べていなかったことに逆びっくりする程である。

会議前のクソ忙しい時に僅か1分でも仕事を中断したことを激しく悔いたが

職場の先輩として彼女がこんなにもオチのない話を繰り返し

社内いじめにあってはいけないと思い、

みんなの読んで良かった!