オーストラリア留学中にネット中傷被害に合い、裁判を起こした話(2)
嫌がらせを行った人物と知り合ったきっかけ
2つ目の偽アカウントの投稿の多くには位置情報が表示されており、メルボルン近郊のある地区から投稿がされていることがわかった。前回書いたように、私には誰が嫌がらせを行っているのか心当たりがあったのだが、表示されていたのはまさにその人物の自宅と勤務先がある地区だった。
その人物は、Deana(仮名)というオーストラリア人女性だ。
Deanaとは友人の紹介で2012年の大みそかに知り合った。
Deanaを紹介したのは、オーストラリアに永住する日本人女性のアイ(仮名)。
アイから大みそかのカウントダウンイベントに誘われた私は、同じ学校の留学生仲間を誘い、アイとアイの友人達と一緒に大みそかを過ごすことにしたのだ。
アイは友人を2人連れて来ており、その一人がDeanaだった。Deanaはアジアに興味があると話し、私も私の友人たちも特に悪い印象は持たなかった。オーストラリア人女性にしては自己主張が激しくなく、威圧感が無く話しやすい印象だった。我ながら、見る目が無かったと思う。
Deanaとアイは私よりも2つ年下、他のメンバーも同年代だったこともあり、私たちはすっかり意気投合。今度ぜひまた一緒に出かけようという話になり、携帯番号を交換した。
その翌日、DeanaからFacebookの友達申請が届いていた。一度しか会ったことは無かったが、悪い人物には見えなかったこと、信頼する友人の紹介だったということもあり、警戒すること無く友達申請を承認した。大みそかの日にDeanaと出会った私の友人たちも同様だった。
その後、Deanaとは同じメンバーでご飯に行ったり、お茶をしたりするようになった。
当時は学校が夏休みだったので、私も友人たちも時間に余裕があった。Deanaと一緒に日本人とオーストラリア人の交流イベントにも参加し、他の友人にDeanaを紹介したりもした。今思えば、この頃は本当に楽しい時期だった。
ただ、一点気になっていることがあった。
Deanaから送られてくるメール、Facebook上でのメッセージ、LINEのメッセージの数が尋常ではないのだ。(ちなみにオーストラリア人でLINEをしているのはアジア人の友達がいる人くらいで、日本ほど一般的ではない。)
朝起きてから眠るまで、こちらが返信するものならエンドレスにメールが送られてきた。Deanaは事務の仕事をしていたのだが、明らかに仕事中と思われる時間にもメールは送られてきた。
1日何十通にも及ぶメールを受け取っていたのは、私だけではなかった。
Deanaは他の友人達にも同様にメールをしており、さすがに友人達も怪訝に思っていたのだ
私はアイにDeanaのことを聞いてみることにした
アイは笑顔でそう答えた。
前からDeanaと友達のアイがそう言うんだから、大丈夫だろう…
ただ、少し変わってるだけで悪い子ではないのだろう…そう信じることにした。
嫉妬、下ネタ、人種差別的発言
その頃から、私はDeanaと2人で会うことが多くなっていた。
いつものグループの中心的メンバーが母国に帰国したことがきっかけで、以前のように集まることが自然と少なくなっていった。また、もう一つのきっかけは、アイに彼氏ができたことだった。
当初は冷やかしつつ喜ぶそぶりも見せていたDeanaだったが、ある出来事がきっかけとなり、アイへの嫉妬を隠すことなく、私の前でアイを侮辱する発言をするようになっていった。
ある日、Deanaとアイは仕事後に会う約束をしていたが、仕事の都合でアイが遅刻をしたらしい。来客対応が長引いており、事前にDeanaに連絡することもできなかったそうだ。
これに対し、Deanaは異常なほど怒りをあらわにしていた。
そして、アイは彼氏に会っていたから遅刻したのだと思い込んだのだ。
あの子はいつも周りのことを考えない!!
アイの仕事が終わる時間、待ち合わせ場所への移動距離を考えると、仕事が終わってからDeanaと会うまでに彼氏と会っていたとは考えにくい。私からも説明しようとしたが、全く聞く耳をもってもらえなかった。そして、この日からDeanaはアイのことをボロクソに言うようになった。
Deanaからは相変わらず毎日大量のメールが来ていたのだが、非常に不快な内容のものが増えていった。
毎日のように上記のようなメールが四六時中送られてくるのだ。
一言でいうと、くだらない。
無視もしようとしたが、例えば携帯のメールを無視するとLINEで連絡が来たり、LINEで返信しないとFacebookでメールがきたりで、私はDeanaとのやり取りにストレスを感じるようになっていった。
また、私たちはあるイベントで香港人のカップルと知り合ったのだが、そのカップルの男性(イケメン)のことが非常に気に入ったDeanaは、
といった発言を繰り返し、2人の仲を邪魔しようとしていた。
これに対してカップルの女の子はかなりイライラしており(当然だ)、Deanaをイベントに誘い、2人に引き合わせたのは自分だったので、私は非常に申し訳なく感じていた。
この頃から私はDeanaの言動について、何人かの友人、知人に相談するようになった。知人の一人は、Deanaは非常に変わっている、気をつけたほうがいいと言った。この時、私はまだその言葉の意味を理解していなかったのだが、今思えば彼はとても人を見る目があった。
そして、2月に入ったばかりの頃、私の我慢はついに限界を超えてしまった。
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