嘘という名の嘘

それはたったひとつの嘘から始まった。


当時私はまともな職にも就かず、ただ陽が暮れて陽が昇る変わり映えのない日常を過ごしていた。

暇しかなかったあの頃は、時間が過ぎる速度が驚くほどゆっくりで、特に何をしたいというわけでもなく刹那を積み重ねてほっそりと息吹いているのみだった。


いつものようにただ空腹を満たすためだけの外出をした。


確か西の空にうっすらと夕焼けが見える時間帯、近くのコンビニまで珍しく歩いて向かった。

家から数えて3つ目の交差点での赤信号。この交差点は信号の切替が長い。

ふと横断歩道の向こう側に目をやると、そこに初めて見る君がいた。

夕焼けを背景に、それからの私と君の人生が狂い始める最初の1ページが開かれた瞬間だった。


君は今でもあの嘘が本当に君自身のために有益であったと、信じていますか?

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