60人生の岐路 / 父、二度目の怒り

前編: 59人生の岐路 / 大舞台の司会者に抜擢
後編: 61人生の岐路 / 父、家を出る


父を怒らせた事は今まで何度もある。

正直、数え切れないほどだ。妹をいじめた時は、頬を叩かれた。

あの時はとにかく泣いた。


でも、父と離れて暮らすようになってから、父はあまり怒らなくなった。

電話越しで「バカ」と言ってくるけど、怒られた気にはならない。

波平がカツオに「バカもん」という愛情みたいなものだと私は思っている。


ただ、あの日…。

私は父を怒らせた。

就職が決まらず、焦っていた私のために父は仕事の候補を見つけてくれた。

父が作ってくれたリストから気になる仕事を選び、履歴書を作り、応募していたのに。

私は父を裏切ったのだ。

地元で就職しない。東京に行く。と気持ちがコロリと変わり、父の努力を踏みつぶした。

父は怒り、私と縁を切った。絶縁のはじまりだ。

詳しくは、こちらから。(29人生の岐路30人生の岐路


それから私は卒業を目前に仕事が決まり、父との関係は少しずつ戻って行った。

私と父の仲を取り戻してくれたのは紛れもなく母がいてくれたからだ。

その事に気づいていたのに、当時、私は母にありがとうを言えなかった。


仕事も順調に、プライベートも順調に…

なんて行くはずもなく、私は新卒で入社した会社を1年3ヶ月で辞めた。

事情については詳しく書かなくてもすでに記していますので、こちらを読んで頂けたらと思います。


辞めた後は、リフレッシュも兼ね、沖縄に飛び。

自由気ままに過ごしていました。


その後は、旅をするつもりだったけど、父から怒られたんだった。

しかも、これが二度目の怒りになってしまうほど。むちゃくちゃ大きな雷が落ちたんだ。

実家を追い出され、彼の家に居候をしながら転職活動をしたんです、私。


タイトルにある、【父、二度目の怒り】はすでに起こっていました。

私が職を見つけず、ふらふら旅なんてしている姿が気に入らなかったのでしょう。

あの時は、父だけでなく、いつもは優しい母もすっごく怒っていた。

荷物をまとめてすぐに家を飛び出さなければならないほど、父と母の怒りはまっすぐ私に向かっていました。


だから、今回綴る父の怒りは、三度目の怒りとなります。

今回の怒りの矛先は、私と彼。

以前、母にようやく彼を会わせたという記事を書きましたが、その後、私たちから何のアクションもなく、父としては「いつ自分のところに来てくれるのだろうか?」と思っていたみたく、それについて怒りが爆発したそうです。


と言うのも、事の発端は、私の引っ越し。

年明け早々、父と母が千葉に来てくれ、東京の大学を卒業する妹の荷物を持ってきてくれたんです。

そんな時、何かを思い出したかのように、

父「彼はどうしたんだ?」

私「長期休暇を取って、北海道に帰ったよ」

父「半日でも良いから、会ってくれればよかったのに」とボソリと言いました。


父の言い分は、長期休暇が取れたのなら、北海道に行く前に静岡に寄るなり、みきの引っ越しに合わせて少しぐらい時間を作って自分に会ってほしかった。それぐらいの時間なら取れるのでは?と。


正直、ハッ?無理でしょ!と思ったけど、逆らう気持ちを抑え我慢しました。


ただ、その時のボソリと呟いた気持ちに怒りがこもっていたなんて知るよりもなく…。


それから、少しだけ月日が過ぎ。

ある日、私の家に彼が遊びに来て、久しぶりだから気合い入れて料理を作るぞ〜と思った矢先。

ついに来たんです。


彼が部屋でくつろいでいる時。

リズミカルに人参を切っていた私の左人さし指に、思いっきり、包丁が刺さりました。

痛みより、出血の量ですよ!

とにかく、出るわ出る。千切りしたキャベツの上に真っ赤に染まる血たちよ。

全然、血が止まることなく、ティッシュも台拭きも染まり続ける。

パニックになっている私に気づいたのか彼が声をかけたけど、「大丈夫大丈夫」と言い、薬剤師の両親に電話をかける。止血方法をすぐに教えてくれるだろう、と思って電話をかけたのが間違いだった。

父に「バカっ」と言われ、ムカついて、電話の途中だったのに電話を切る。

その後、母から何度も電話が来たが、すべて無視をする。

そして、彼に助けを求める。


なぜ、近くに彼がいたのに両親に電話をかけたのか。


単に、これまで怪我をしたら、両親がどうにかしてくれたから。それだけだった。

でも、私が両親に助けを求めた事で一番近くにいた彼を頼っていなかったことになる。


なんで俺を頼ってくれないんだ。

彼に言われて気づいた。

なんで私は両親に電話をかけてしまったのかな。と。

たぶん、弱い自分を見せられない私がいたんだろう。

包丁で指を切ったのがださかったし、焦る自分がださかったし、それを彼に見せたくなかったし。

料理が苦手だから頑張らなくちゃと思ったあまり、空回りをしてしまいました。


母からの電話が鳴り続けながら、彼が一生懸命、私の止血をしてくれました。

ありがとう、ありがとう。涙が出る中、思い続けました。


そして、父から来たメール。

親を頼るな。

男を頼れ。

すっごく冷たい文字でした。

見た瞬間、涙が出ましたね。突き放されたような感覚になりました。


両親には言っていません。

彼が近くにいたとは。

電話をしたら、駆けつけてくれたとしか。

たぶん、近くにいたと言えば、彼への評価は下がるでしょう。

私が電話をしてしまった事が父との溝が深まる始まりとなるとは思いませんでした。


そして、その時は突然やってきた。

震える声で母から電話が来たのだ。

続きのストーリーはこちら!

61人生の岐路 / 父、家を出る

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