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それでも
母とくるみ姉ちゃんの家に
転がりこんでからも
たまに父には会いに行った。
浮気相手の女を台所で見た時は
2度と敷居をまたぐまいと
思ったのだが。
やはり父が心配なのと顔を見て
元気にしてる姿を見ると
ホッとした。
父は小遣いと言うには多すぎる
お小遣いをくれる。
今思えばそれが父の私に対する
精一杯の罪滅ぼし。
正直稼ぎの少ない若い私には
有り難すぎる金額。
ミサ姉ちゃんも父には会いに
行っていた。
両親離婚後 2年後に自分も離婚した
ミサ姉ちゃんにとっても親父が
握らしてくれる小遣いは
ありがたかったのだろう。
父と暮らさなくなってから
数ヶ月後から付き合いはじめた
男と半同棲みたいなことを
はじめてからは、生活に困ると
親父の所に行く。
酷い娘だ。
人の弱みに付け込むとはまさに
このこと。
確かに酷い父親かも知れない。
それでも何不自由なく立派に
育ててもらった。
年に4、5回位とはいえ、
金が無いと実家行っていた。
単純に顔が見たかったのは
最初の一回位。
また付き合っていた男が最低だった。
ものすごい嫉妬束縛をする人だった。
残業で遅くなれば男と会ってたのか?
とか、
コンビニで買い物している間
外で車の中で待っててこちらを
見てて、ただ商品を選び普通に
お金を払って出てきたのに
遅い!何をレジの店員と話してたんだ‼︎
とか言う奴で。
友達と遊ぶことすら許して貰えず
当時まだ携帯は持ってなかったので
奴にアドレス帳燃やされたせいで
友達とも連絡取れなくなったわw
…話が横道に逸れましたが
とにかく、たまに父に会いに
行くたびに罪悪感を募らせていく。
くるみ姉ちゃんは母と
家を出てから父に会いに行ったりは
してなかった。
ただ、離婚前に父の会社の子会社に
就職したので数年は職場で顔を
合わすことがあっただろうが。
くるみ姉ちゃんは
母をいたわり、旅行に連れて行ったり
彼氏と遊ぶ時にも時々母を連れて
行ったりととにかく離婚後の母の
心の支えになろうと頑張っていた。
それに比べて私は…
そう思うと申し訳なさと
自分の愚かな行いが
ものすごい罪悪感となって
私にのしかかる。
同じ姉妹でも偉い違い。
同じDNAとは思えない。
劣化DNA。
あなたの親御さんの人生を雑誌にしませんか?

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