学生だった僕が自転車で東北へ向かい,御輿を作ることになった話

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みんな、守りたい、続けたい、そう思ってくれれば必ず続くし必ず次につながる。

そうやって文化は作られてきたはずなんだ。


雄勝にも、もう一度。


御輿はなんとか完成した。

祭りの朝、雄勝へとたどり着いた。

雄勝は久しぶりだった。

御輿を作り始めてからは一度も行っていない。

千鶴さんや頼雄さんはちっとも変わってなくて、それは嬉しかった。


でも変わっていないのは街も同じ。

何が出来ているわけでもなく、何もないまま。

真っ暗なまま。


このお祭りはただのお祭りじゃない。

仮設商店街のオープニングイベント。



全ての はじまり。

そこに僕が作った御輿があるのは本当に光栄なことだ。


たくさんの人の思いが集まる。

担ぎ手は地元の方々。

そして震災後ずっと雄勝町を支え続けてきたボランティア、LOMのみんなだ。


御輿には 絆 の一文字。





それが上がる風景が、雄勝に少しでも元気を届けていければ。

そう信じ、御輿を組み立てていく。



南三陸から帰り,やっとの思い出作った御輿。

たくさんの思いが詰まった御輿。


それがついに、上がるんだ。




みんなみんな、泣いていた。

悲しくてじゃない。

嬉しくて。


たくさんの人の喜びが御輿を上げた。


必ずまた上がる。


僕もずっとずっと上げていきたい。

この御輿を。

守り、育てる。


みんなで。

そう、神輿はひとりじゃ上がらないんだ。


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