学歴コンプレックスの男が大手企業で新人賞を受賞した話 ~2~
周囲の学歴に押されながら研修開始
入社式を済ませ研修施設での研修が始まった。ビジネスマナーや、基礎知識の座学。毎回違う複数名と班を作りながら講義を受けるのだが、最初の関門は自己紹介。
出るは出るは、有名国公立、有名私大のオンパレード。いずれもどうやって入学できるのかわからないレベル。私の大学はやはりその底辺。同じ大学から進んだ人は0。講義を受けその都度試験を行うが、どうしても満点が取れない。(周囲は当然のごとく満点)周囲からは完全に最下層と認定され、なぜか上から目線で指示を受ける。完全に委縮しきった私は、ほぼ発言をせぬまま毎回の講義を終えるのが常であった。
「同期同士の団結力を高める」為に毎晩行われる飲み会。なんとなく義理で声をかけてもらうのだが、騒ぐ一団を横目に隅で大人しく飲む。完全に二軍メンバー。研修担当の社員が混ざっても、声すらかけられない。たまに視線が飛んでくるのだが、「おサムい奴らだな」と思われているのがひしひしと伝わる。
営業系の研修ではありがちな最終日の出し物。配属地方ごとのクラス対抗。これも温度を取るのは有名私大のガチガチ体育会系。完全に頭脳でもスポーツでも勝ち目の糸口すら見つからない私は、最後列でこっそり参加。「もう少し真面目に取り組んでください」と真顔で注意される始末。完全に意気消沈していた。
最終日に発表され、正式に決まった配属先は地方。周囲からは残念な目で見られた。そして都内配属者はやはり有名大学出身者。配属先決定の時点で既に相当の格差がついたとする思えるような状況。
個人的にはほっとしていた。このころには完全に意気消沈していたが、地方でのんびり営業の基本を鍛えることが出来る、もう学歴にコンプレックスを感じずに済むと。
配属先が決定し、研修最後の飲み会。
いつもの通り集団の隅でぼんやり飲んでいると、珍しく先輩社員がこちらにやってきた。
配属先はどこになったの?
うーん。。。
ただ、、
そんなこんなで悪名高い上司のもとに配属されることに。
入社して研修期間約1ヶ月。
真剣にそう思う様になっていた。
つづく
著者のTanaka Masuoさんに人生相談を申込む
著者のTanaka Masuoさんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます