『営業職』が何よりも素晴らしいと思うに至った深夜3時のSTORY ~1~
この話は前回書かせていただいました、『学歴コンプレックスの私が大手企業で新人賞を受賞した話』の続きになります。
もしお時間ありましたらそちらも読んで頂けますと光栄です。
ところで、みなさま
営業と聞いて何を思い浮かべますか?
営業に対してあまりいいイメージを持っていない方もいるかと思います。
よく行くcafeで本を読んでいると、隣の席で就活中の学生さんが、
なんて言っているのを何度も聞いたことがあります。
よく行く飲食店のオーナーは、
なんて言ってます。(私が営業をしているのを知っているのに。。)
私も初めはそうでした。実際に色々と経験し、やはり営業は大変な仕事だと思います。
ただ、私は今までの営業で、何度か「体の奥底から震えがくる」ような喜びを経験しております。
この喜びが忘れられず辛い時も苦しい時も自分を支えることが出来ました。
今回はそんな「体の奥底から震えがくる」経験を一つ思い出して書いてみました。
自信過剰
入社初年度、あるお客様との出会いを機に、3ヶ月で5件の契約を手にし新人賞を受賞した私は、次年度成績が思う様に伸びず苦しい思いをしていた。
理由は簡単。自信過剰、慢心、おごり。
新人賞を受賞し、周囲から褒め称えられ小言を言われなくなった。
人間は弱いもの。勘違いをし始めるのにはまたとない状況だった。
この頃の私は嫌な奴だった。
お客様と対峙しても、
「お客様が家を建てない理由」
を探す達人になっていた。
平均成績は何とかクリアするものの、期末が近付いた時点ではメッキは剥げかけ。
前年度あれだけ悔しい思いをし、『お客様の為に』頑張ると決めたのに、思う様に結果が出ない日々にいつの間にか責任転嫁をして
客がだめなんだ。。
他の先輩と同じように、そんなことを口にし始めていた。
T様との出会い
住宅の営業という仕事は、まずお客様を観察することから始まる。
少々嫌らしい話だが、お客様の身なり、住まい、話し方や態度などを観察し、本当に家を建てるのかどうか、建てる理由があるのか、資力はあるのかを判断していく。
年配の営業になればなるほど、経験があるだけに顕著だ。
期末の一か月前、私はT様と出会った。
ご主人は地方出身で奥様と結婚されて1年程。
市街地中心部からだいぶ離れたアパートお住まいであった。
ご主人も仕事を変えたばかりで、まだまだ家づくりは難しいかと思ったが、あまりに熱心に話を聞いてくださるので、こちらも熱が入り事細かに説明をした。
年齢が近いこともあり、話は脱線気味であったが、終始笑顔のまま気づいたら一時間以上経過していた。
お客様がお帰りになられ、事務所へ戻ると、
あの感じだとお金ないやろ?
ごく当たり前のようにそんな会話をするようになっていた私。。
ただ、なんとなく心に引っかかりがあった。と言うよりこの時は純粋に、
と思ったのだ。
事務所に戻り、T様にお礼のお手紙と資料を同封し、ポストに投函し家路についた。
翌日、携帯に見知らぬ番号から電話。
出てみるとTさん。
家を見に行ったことを妻の両親に話したら、妻の両親の家は、あなたの会社で建てた家の様なのです。とても良い家だと太鼓判でした。
で、何かありましたか?
(この時も傲り高ぶった私は、どーせ建てないだろうな、、なんて思っていた。)
なんていいお客様。
というかなんてダメな私。。
完全に偶然に助けられ、T様との家づくりの計画が始まった。
家づくりの打ち合わせは順調だった。
急展開
期末を目前に控え、社内は追い込みムード。
T様との商談についても社内の圧力は凄まじく、
『絶対に落とせない商談』
として周囲の目が厳しくなり始めた。
ところが期末一週間前のある日、携帯にT様からの着信。
ちょうど打ち合わせ中で電話に出ることは出来なかったが、
「嫌な予感」がした。
打ち合わせを中座して電話をかけなおした。
すると、、
今回の家づくりを中止したいのです。
色々とご相談させて頂きましたのに、申し訳ありませんでした。。
有難うございます。
どうしたんですか。。
有難うございます。
またこちらからご連絡させて頂きます。
失礼します。。。
「ガシャリ・・ツーツー」
つづく
著者のTanaka Masuoさんに人生相談を申込む
著者のTanaka Masuoさんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます