一人暮らしの朝、僕は誰かにタップされて目覚めたんだ

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それは、デイビッド・リンチの映画を観ているような体験だった。

表現の全てにメタファーが込められていて、混乱を起こしてしまうほどの衝撃だ。

僕は現在、ITのベンチャー企業で働いている。

その日は立て続けに仕事が重なり、

ヘトヘトになって家路に着いた。

時刻は、深夜3時だった。

いつもより疲弊しきった僕は

家に帰るなりそのままベッドに横になり

気絶するかのようにすぐ眠りについた。

そして朝、目が覚めた。

誰かにふくらはぎを強くタップされながら。

同じ箇所を3回ずつ叩いてくる。

「おい!おい!」と低くて掠れた声が聞こえた。

僕が顔を上げて見ると、そこには1人の老人が僕を睨んで、立っていた。

汚い何色とも表現できない、使い古したポンチョ。

下には同じ状態の汚いスウェット。

前歯二本が無いらしい。

すべて白髪で、真っ黒に焼けた肌が

より白髪を際立たせている。

深く刻まれたしわは、眉間に強く寄っていた。

僕はむくんだ顔を上げたまま

呆然と老人を見てしまっていた。

みんなの読んで良かった!