泳いで木に登って泣いた話

幼稚園の時です。多分7月だったと思います。幼稚園児の僕は仲の良い友達2人と家への帰り道、「泳ぎたいな」と思ったのです。徳島の海部っていう漁師町で生まれた僕は一歩家を出ればすぐ海があって、小さな漁船がギコギコ音をさせながらたくさん舫ってある小さな漁港を横に見ながら通ってました。その途中にある銭湯の前に小さな広場があって柿の木が一本生えてて、すぐそばには漁港に降りる石の階段がありました。漁船が並ぶ港とはいえ、まだまだ水はキレイでしたから、あまり深く考えずに3人で服もカバンもそのままでザブンと入って遊びました。小さいながらにやっちゃいけない事をやってるって感じはあって、すぐに海から出たのですがそこで気付いたのです。「服がびしょ濡れや」。3人で相談した結果出した方法は柿の木に登って乾かそうという作戦でした。僕は1本目の木に登って、他の二人も木に登ったり、根元に座ったりして何かおしゃべりをしながら乾かしましたよ。もちろん着たまんまでね。たくさんの大人たちに見られてるのなんか気にもならなかったのですが。でも、そりゃそうなんですよね。次の日に先生に居残りを言われて思い切り怒られました。怒られるのは別に仕方なかったのであまり気にはなりませんでした。いつもの感じで説教も終わるかと思っていたのです。その時先生が言った言葉で、僕たちは凍りつきました。「明日、徳島市内の幼稚園に、君達3人を引き取ってもらいます。これからずーっと死ぬまでそこにいなさい。」母ちゃんに会えなくなる。友達とも会えなくなる。もう終わりや。という思いで三人ともワンワン泣きだしてしまったのです。

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