届かぬ思い
10年前、、、
(今回は少しサイドストーリーになるが)
高校2年の時に、沖縄に修学旅行に行った。
その時に沖縄がとても好きになってしまい
俺
何か、残せるものがほしいな
と思い、お土産屋を巡っていると
琉球ガラスを使ったネックレスが売っていた。
当時の俺には結構高い4,000円だっただが
また沖縄に来れたら良いな、なんて思いながら
そのネックレスを購入した。
旅行から帰った時にそのネックレスを
![](/images/characters/child_boy_42x42.jpg)
俺らの分はないの?
なんて弟に言われていたのだが、
自分のを買うので、お小遣いが精一杯だった。
数年後、そのお店が関東にも進出していて
ショッピングモールでたまたま発見した。
その時は大学生でバイトもしていたので
弟2人に色違いのものをプレゼントした。
こういうのは、なんだかキモいとか思われるかもしれないが、
どうやら俺は、周りに比べると弟の事がだいぶ好きな兄貴だったようだ。
どんな事をしていたか全く覚えていないが
一番下の弟が生まれた時に、兄弟3人で
ほっぺたをくっつけて笑顔で撮った写真がある。
(もちろん、生まれたての弟は笑顔ではなく、仏頂面だったが)
その写真の自分の顔が本当に幸せそうで
自分でも「弟の事が大好きだったんだな」と
実感させられる写真だった。
「兄弟3人がそれぞれの道で人生の幸せを手にいれる」
それが俺にとっての最高の夢であり
実現したい事だった。
なんとなく兄弟で同じものを1つくらい持ってても
良いのではないかと思って買ったのが、そのネックレスだ。
高校2年で買ってから、これを書いている現在は
28歳になるが、今もずっと俺の首元にある。
実家へ帰る電車の中、俺はそのネックレスを
握りしめながら、
俺
俺の残りの人生の天運の全てを捧げてもいいから
頼むから、弟を生きさせてくれ
頼むから、弟を生きさせてくれ
と、ずっと祈っていた。
まだ弟が死んだと決まったわけではない。
それなのに、涙が溢れそうでたまらなかった。
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