あなたから卒業しようと思っているんだ ~何もかもが理想どおりの彼と私は愛し合った。だけど、彼の左手には指輪があった~

2 / 2 ページ


日曜日、シクロクロスという自転車レース観戦デートに行った。

私は自転車知識ゼロで、Sさんの趣味。



映画 "Love Actually"、言語の通じない二人が惹かれ合い、互いの言語や文化を受け入れていくシーン。



私達も、互いの趣味や文化を知りたいと思い、それを受け入れることができた。

惹かれ合う二人には、自然の摂理だと感じた。




毎週水曜日、会社帰りにデートをしていたため、

たまにの珍しい休日デートを、キラキラ輝かせた目でレース観戦する私達は、

純粋に今という時間を思う存分楽しんだ。




デート終わりの個室居酒屋、緊張が止まらなくなった。



彼と私を信頼して、


ここしばらく考えぬいた、


シンプルな言葉を、


Sさんに伝えた。



「私はあなたから、卒業しようと思っているんだ」



嫌いになっていない。むしろ、あなたが大好き。



言葉に出した途端、涙が止まらなかった。


涙を流し続ける私に、Sさんはハンカチを差し出してくれた。



涙をぬぐいながらSさんに、

このストーリーの前半(私の本当の望みまで)を話した。




その後は、お互いにぽつりぽつりと

言葉を発した。




そんな状態でお店を出る際、


「頭では理解してるけど、体が追いつかない」



そう言ったSさんは足元がふらつき、

私以上に目が真っ赤だった。




小説 "アルケミスト" の主人公サンチャゴが、クリスタルショップをやめる時。



主である商人に伝えた。


「あなたが僕を助けてくれたのです」

商人は、サンチャゴに伝えた。


「わしは、おまえを誇りに思っているよ」

そして、彼は少年を祝福した。



望む方向へ進むため、前兆に答えるため、私は一歩踏み出した。


ーーーーーーーーーーーーー


読んでよかったら、ぜひ「読んでよかった」ボタン、フェイスブック、ツィッター、はてブでのシェアをお願いします。また、コメントいただけたら嬉しいです。

著者の山口 友里恵さんに人生相談を申込む

著者の山口 友里恵さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。