発達障害と向き合って。

次話: 発達障害と向き合って2

22歳で記憶障害で入院。どん底からの再起。それからの日々の記録。


うつ病が酷くなって記憶障害になって、家で寝たきりになってしまったあの時から、丁度2年が経った。当時は、もう二度と立ち上がれないんじゃないかと思うほど、ボロボロだった。


こんなに惨めになって、周りの人たちに迷惑をかけてしまって、何もできなくなった自分なんか、もう生きてる意味がない。恥ずかしくて、生きていたくない。そう思って死のうとした。電車のホームの柵を乗り越えて、目をつぶって。きっと痛くなんかない。電車のスピードで衝撃が強すぎて、あっという間に心臓はとまって、身体はバラバラになる。一瞬だけ、怖いのを我慢すれば、もう楽になれる。


その時、頭の中で今までの過去が蘇ってきた。

「ああ、私の人生ってなんだったんだろう。。。」

生まれてからずっと、辛いことのほうが多かったけど、それでも自分なりに生きてきた。

それでも、もう心が限界だったんだと思う。そんなある日、突然身体が言うことを聞かなくなった。

文字が読めない。字が書けない。手の震えがとまらない。一時間前にあったことも、会話の内容も思い出せない。

歯磨きの仕方も、顔の洗い方も、服の着方も、話し方も、今まで自分がどんな風にして生活を保ってきたかも、全部忘れてしまった。

頭の中は空っぽになってしまって、まるで赤ちゃんに戻ってしまったような感じだった。

「どうしよう。どうしよう。どうしよう。」毎日焦りと不安でいっぱいだった。

それでも自分でなんとかしようと、様子がおかしくなってきても、しばらくは誰にも言わなかった。

家族にも内緒で、仕事に行ったりもしていたけど、駅までついても、自分が何を目的にこの駅まで来たのかすらわからなくなっていた。ふとホームの鏡をみると、そこには誰か知らない人が映っていた。

「これ、誰??まさか私じゃないよね??」そこに映っていた人物は、寝ぐせのついたままで、お風呂にも入れていないようで髪はベタベタで、顔はふやけていて、まるで小学生の子供みたい。

いや、老婆にもみえるかな?身体はブクブクに太っていた。しばらく鏡をみていない間に、こんなにも変わってしまったのか。。。

すっかり変わり果てた自分の姿をみてショックだった。もう誰にも会いたくない。外にも出たくない。それからひきこもりになって、半年間も家で寝たきりの生活になった。

夜になると声が聞こえる。「お前なんか誰にも必要とされていない。女であることが取り柄なだけだ。

どうせ誰にも大切にされない。無価値、能無し、死ね。」まるで悪魔がずっと耳元で囁いているようだった。毎日、こわくてこわくて、震えながら過ごした。

そしてあの線路に立ったとき、苦しみの感情や記憶が蘇ったのと同時に、誰かはわからないけど、いつもの悪魔の声とは違う、穏やかで優しい声が聴こえてきた。

「まだやり残したことがあるでしょう?」「まだ何も経験してないでしょう?」「愛も幸せも生きる喜びも、何も感じたことのないままで、人生を終わらせていいの?」

その天使のような声が聞こえてきてから、少し冷静になって考えることができた。

まだ早い。死ぬのは簡単。いつだってそうできる。だから今はとりあえず落ち着こう。

家に帰ろう。。。

あの頃から二年後の今、私は生きていて本当に良かったと思っている。

あの時に死ななくて良かった。。。これ以上ないってほど苦しかったけど、それを乗り越えることができた。家族や看護師さん、病院の先生、患者さん、友達、色々な人が親切にしてくれて、支えてもらって、ここまで回復することができた。

隕石が落ちてきて全人類が滅亡したらいいのにと思うほど、人間が嫌いだったけど、苦しい時に人に助けられて、人を好きになることができた。

入院治療と薬のおかげもあって、人と普通に会話できるようになって、患者さんとも仲良くなれた。

また昔からの友人たちとも繋がれるようになった。やりたいことが見つかって、新しい目標ができた。

感謝の気持ちや生きる喜びを深く感じることができるようになって、心が豊かになって、幸せだと思えるようになった。あの頃は、こんなに楽しい時が待っているなんて、想像もつかなかった。

周りから見ると不幸な状況のように感じるかもしれないけど、

わたしの心は、今までの22年間の人生の中で最も満たされている。

わたし、心から幸せを感じている。自分を選んで生まれてきて良かった。

神様ありがとう。まだまだこれからが大変だと思うし、乗り越えなければならないことはたくさんあるけれど、きっと大丈夫。

大きな苦しみをひとつ乗り越えて、以前よりもずっと強く賢くなったんだから。

何があっても、強く生きていける。

今回の出来事は、人生を変えていくための転機になった。






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