貴裕はどうやって拓人になったか

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ダメなものはダメといつも導いてくれたママ。






師匠と知り合ったのは春休みだったと思う。


まだ例の3人とごちゃごちゃしていた頃、彼からメールを貰ったのが始まり。


メールを始めて次の日の朝だったか、電話をしてその夜に会うことになった。




雰囲気が違った。


とても落ち着いていた。


言葉を換えれば、濃かった。


話は面白かったし、オレが知らないことも色々知っていたから早いうちに仲良くなれそうだった。


そしてその日はそのままお泊まりした。


親には無断の外泊だったから、その後で大もめしたのだが。




その夜からオレは目覚めていくことになる。


色々教えてもらった。


方法とか考え方とか。


あのどろどろの時期に彼に会っていなかったら、オレは今こうはなっていない。


“師匠”と呼ぶはそういう意味で、だ。




その後、師匠とはかなり頻繁に会うようになった。


そしてある時彼の行き着けのチャットを教えてもらった。


当時はかなり盛り上がっていたサイトだったと思う。


そこには自分より年下のコがたくさん集まっていて、ある意味カルチャーショックだった。




そのチャットのメンバーに会いに、思い立って東京に行ったりもした。


相手は、軽く“付き合おうか?”みたいな話をしたコ。


もちろん年下。


彼は自分のカラダで生計を立てていた。


そういうこともあるとは知っていたし、とりあえず割り切って考えてはいた。


だけどそれだけではうまく行くはずがなく、その1週間後には連絡を取らなくなった。




そのチャットのメンバーの中の1人が ママ だ。


その人の話は、一番最初に付き合ったコの話と同時進行になる。




ちなみに師匠とは、結局お互いに対する見方がすれ違っていってしまい、地元を離れる時にはもう連絡を取らなくなっていた。






あのコは、今はSNSになった会員制のサイトに登録をしていた、確か地域最年少のコだった。


それでとりあえずメールを送ってみた。


きっかけはただ単に年下のコと知り合いたかっただけだった。


メールをしてすぐ、3月22日の夜9時半に返事が来た。


『ハジメマシテ☆よろしくぅ!』




彼には当時付き合ってた人がいた。


遠距離で未だ会ったことは無いという。


そして両親にカムアウトをしているとも聞いた。


その告白は怒りと共に拒絶され、『治せ』と言われているらしかった。


寂しくて、彼氏に会いたくて、と言う話を聞いた。


そのまま夜を明かし、通っていた自動車学校でもひたすらメールをしていた。


恥ずかしいなんて思いもせず、求めてきたことに応じてあげた。


正直最初は困っていた。


でも断らなかった。




その流れで付き合うことになった。


最初は好きだから、というよりは守ってあげなければ、という思いが強かった。




1つ約束をして初めて会うことにした。


若いからこその約束をした。


夜に電話でその話をして、その後メールになってから急に返事が来なくなった。

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