背中合わせの合鍵
1割は、僕のせいで彼女に仕事を辞めさせてしまった。。。
そんな罪悪感でした……。
お店をやめた彼女は美容師1本となり、朝から仕事へ。
一方、僕はそのまま会社を続けていたので、
仕事が終わって帰るのは朝方。
それまでとは違って、完全にすれ違いの生活が始まりました。。。
ほどなくして、僕はマネージャーに昇格し、
女の子の管理をするようになりました。
せっかく彼女と休みを合わせてデートをしていても、
引っ切りなしに女の子から、シフトやお客、そして彼氏の相談などの電話の嵐。
そんな状況下でも彼女は一向に嫉妬をする気配がありません。
こじ◯る似の彼女
「仕事なんだからあたしに気を遣わないでね。
あなたは絶対に上に行く人間だから、今はきちんと頑張って、
女の子を管理したり仕事をしていかなきゃだよ♪」
いつもと同じ感じで笑顔でそう言ってくるだけ…。
店終わりに、女の子達と飲んで酔って帰って来ても!!
いつも笑って「お疲れ様」って…。
僕はそんな嫉妬をしない彼女の態度が、
段々と不安になっていきました…。
僕は大好きだけど、
彼女はもう僕の事が好きじゃないかもしれない…。
そして・・・僕は・・・
彼女をわざと嫉妬させるような行動をとり始めるようになりました…。
連絡もしないで家に帰らなかったり。
彼女の愛情を知りたい一心に。
勇気を出して、一言、「俺の事好き?」と聞けばよかったんですけど…
聞けませんでした………
僕の子供みたいな行動、それはだんだんと2人の間に距離を作り出し始めました。
お互いに微妙な空気で同棲が続き・・・
結局、別れる事になりました…。
切り出したのは僕です…。
別れ話の最中でも、僕は彼女から
【別れたくない】
との言葉を期待していました。
そう言ってくれればやり直せる。ずるい話しですよね…。
でも彼女は…
こじはる似の彼女
「わかった…。別れよう……」
それだけ言って…
そのあとは笑顔になって、
「今日だけ泊めてね!!」
そう言ってきました…。
別れが決まった晩。
小さいベッドでいつもの様に一緒に寝て、
最後の夜を過ごしました。
いつもと同1つだけ違ったのは、いつもは抱き合って寝ていたのに、
その日は背中を合わせて寝ていました……。
もう明日からは彼女は居ない。
最後の夜なんだ。
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