アメリカから来た少年②

当時はショックだったけど・・・

出会って数週間だけどPくんとは、お互いの家に遊びに誘うくらい仲良くなっていた。

ある日Pくんのホームステイしてる家に遊びに誘いに行くと、その家の大学生の兄ちゃんが出てきて

桃をちぎって犬にぶつけたり、近所の家のひまわりを引き抜いたのを教えたそうじゃないかと

すごい剣幕で怒鳴られた。それでもうウチには来ないでくれと言われた


え!?そんなこと教えてないのに。Pくんが勝手にやったことなのに。と思ったが

気の弱い俺はそのまんま落ち込んで家に帰ると親父がそのことを知っていて問い詰められた。

どうやらヒマワリが植えてあった家や桃畑の家の人が家に苦情を言いにきたらしい。

俺は親父に事情を話したら、親父もわかってくれて怒られたりはしなかった。


その後、Pくんは何食わぬ顔で家に遊びに誘いにきたが、俺はもうPくんとは遊ぶ気にはなれなかった。


その後、夏休みがきてPくんとの仲ももどり、プールに通ったり家でまた一緒に遊んだ。

アメリカの夏休みは三ヶ月間もあってその期間内のホームステイだったらしい。

帰国の数日前にPくんのアメリカの住所を書いてもらったが結局、連絡することはなかった。


今ごろPくんはどうしているのかな。言葉がほとんど通じないのに毎日のように一緒に遊んだり

楽しい日々をすごせたのは子供のすごいところだと思う。

今仮にどこかですれ違ったとしても、30年近くも経ってるのでお互いに気がつかないだろう。

だけど、おれのアルバムには楽しそうに肩を組んでピースしたPくんとの写真が残っている。

たった3ヶ月だったけど、おれの中では大切な思い出だ。




著者の鯛下 文太さんに人生相談を申込む

著者の鯛下 文太さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。