アトピーから自分らしさと生き方を教り、アトピーセラピストへ生まれ変わる物語

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そんな日々に包まれて、

それと一緒に辛い症状からも解放されていきました。



ある日、

Mikaちゃんが遊びに来てくれた夜。


僕がシャワーを浴びて部屋に戻ると、

床の真ん中にMikaちゃんがポツンと座っていました。



少し沈黙があって


それから、ちいさな声で、



「別れようね」


と告げられました。


Mikaちゃんの瞳からは、


ポロポロ涙が溢れました。



「ゴメンね」



ケンカしたわけでもないし、

何があったか僕には分かりませんでした。


そのまま伝えて去るつもりだったかもしれませんが、

涙が止まらなくて、僕に話してくれました。

Mikaちゃんの実家は木材を扱うお仕事を長くしていたのですが、

経営が苦しい時期だったそうで多くの負債を抱えてしまう心配がありました。

何も知らなかったMikaちゃんはそのことを告げられ、

とてもショックだった。


一緒にいたい。

でも、このままいたら


「きっと迷惑かけちゃう…」


そんな想いがいっぱいで

僕の体が良くなってきたら、


僕と別れようと決めた。



いま思い出すと、どうだったかな。

よく考えるって何だろう。

未来を見据えるって何だろう。

ただ想いが伝わって、

心が先だったか

体が先だったか

迷いがなさすぎて分からないくらいだけど

Mikaちゃんの前に膝をついて、頭を下げて


「結婚してください」でした。


お風呂上りだったからパンツ一丁でした。

涙を拭って、Mikaちゃんも受け止めてくれました。



そこから

僕の歩みは加速していきました。


休みの日に一人で実家に行き、

両親にMikaちゃんと結婚することを伝えました。

アトピーのことでもさんざん心配をかけたから、

父さんと母さんは心から喜んでくれました。

祝福されるって幸せなことですね。

家族にMikaちゃんを紹介したときも暖かく迎え入れてくれて、

とくに母さんは僕のことを相当心配していたので

Mikaちゃんに心から感謝していました。

Mikaちゃんのご両親にも初めてのご挨拶と

婚約のご挨拶で2回ほど会いに行きました。

ご両親も「アトピーのこと、気にしなくていいよ」

アトピーのこと一番否定していたのは僕だったんですよね。


Mikaちゃんも「東京に戻りたい」と職場に願い出て、

めでたく都内での勤務に変わることになりました。

僕が住んでいたマンションは半年くらいの生活で終わり、

Mikaちゃんが東京に戻るのをきっかけに一緒に新居を探し、

2人で暮らすこととなりました。



しばらくしてから、

僕は母さんから渡したいものがあると呼ばれました。


父さんと母さんから贈られたもの。


幸せを結ぶ輪。


アトピーがなかったら

僕はMikaちゃんと出会うことはなかったかも。

両親がいなければ

僕はこの世に生まれなかった。

いつも繋がっていて

そのつながりに感謝と愛情を感じることが幸せなんだと思えます。


そう、僕がMikaちゃんにプロポーズしたときってパンツ一丁でした。

それはそれで良かったけど、

素敵な思い出をプレゼントしたいなと勝手に考えて

僕は仕事後に「ちょっと遅くなるね」と

電話してから深夜のファミレスにいました。


アトピーって苦しくて必死で

「どうして自分がこんなになるんだろう‥」

そう思う毎日ばっかりでした。

だから体も落ち着いてきて

振り返ってみるとMikaちゃんとの日々は感謝で溢れていました。

そんな想いで手紙を書いて真夜中に帰宅しました。

家に着いた時はとっくにMikaちゃんも眠っていました。

次の日はお互いに休日で特に予定も入れていませんでした。

僕は早朝の5時にそっと起きて着替え、

昨夜に何度も書き直して書いた手紙と

「初めて会った場所で待ってます」

とメモをテーブルに置いて家をでました。

母さんから少し前に手渡されていたものをバッグに入れて。

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