【シリーズ通算6万PV記念】★11★シングルマザーが子供二人を連れてイギリスに母子留学。心の洗濯をして帰国したら、グローバル企業の正社員への道が待っていた話。【小学生のハリウッド映画のオーディション@ロンドン】
ドラマや映画にあるように、長机があって、そこに審査員がずらっと並んでいます。
エキストラの審査なのに、6人ほどが審査員のようです。
オーディションらしくみえたものは唯一、英語での自己紹介だけ。
あとは鬼ごっこや歌、ダンスなどでしたが、
審査員にアピールすることはなく、自然に遊ぶ様子を見ているようです。
ただ一つ違うところは、カメラマンが数人いて、傍でずっと子供たちを追って撮影していたことでした。
時間にして2時間ぐらいだったでしょうか。
休憩中のお茶の飲み方まで撮られていました。
結果は後日連絡しますね、と言われ、オーディションはあっさり終了。
エキストラだからこんなものなのね~と思いつつ、帰路につきました。
駐在員の奥様方からは
「バーミンガムまで帰るんですか?」と
憐れんだ目で見られたことがちょっと悲しかったですけどね。
娘は久しぶりの日本人と一緒に遊べて楽しかったようですが、
すでにイギリス滞在4か月を過ぎたころでしたので、
見知らぬ日本人と遊ぶより、イギリスの友人と遊ぶ方が楽な時期になってきたようです。
オーデイションのことは忘れてまたいつも通り、イギリスのド田舎で、保育園・小学校・大学の生活をそれぞれ精一杯楽しんで暮らしていたころ、オーデイションの担当者から一通のメールが来ました。

残っています』

撮影のスケジュールに参加できれば嬉しいのですが。
ふむふむ。

その後、ハリーポッターシリーズも撮影された、ロンドンのシェパートンスタジオでさらにロケが続きます。



エキストラではございません。

つきましてはどなたかに預けての撮影をお願いします。
タイトルどおり、わたしはシングルマザーでイギリスで子育てしています。
家族はみな日本にいて、頼る人はだれもいません。
そのことを担当者に相談すると、
『大変恐縮ですが、日本からお母様にいらしていただけたら嬉しいのですが』
とイギリス人らしい馬鹿丁寧な、でもどうにも無理強いしてる返答。
日本の場所、分かっているのかな。
ヨーロッパで、基本的に日本の場所、正確にしっている人はなかなかいませんよ。
そのノリのまま、日本にいる母に伝えたところ、
『あー、おかーさん、行くわー』
とあっさりしたものです。
母は父の両親の面倒も見ていたのですが、それは父ができるよ、とのことで、
なんと3か月もイギリスに滞在する飛行機の切符を買ってくれました。
小学校に伝えると校長先生はじめ、みな大騒ぎ!!
この学校から、この町からハリウッドスターが出るなんて!!
と話が飛躍しすぎです。祭りのようでしたね。
当の本人は、映画出演の話はあまり理解はできていませんでしたが、
学校を休むこと、先生や友達に会えなくなることがいやでいやで仕方がなく、不機嫌でした。
さて、このハリウッド出演の話は残念ながら、3月の頭に消えてしまいます。
映画を3Dにするからお金がかかるので、話をもっと短くしなくちゃいけなくなったとのこと。
娘の役をなくして、それより上のティーンズの女の子を配役しないといけなくなってしまいました。
女主人公の幼少期を演じることになっていたみたいですね。
もともと、娘をTVやモデルに!なんて考えたことがなかったので、がっかりはしませんでしたし、
娘の学校・友人を大事にする部分が垣間見ることができて、イギリスでの成長を肌で感じるいい機会ともなりました。
私も、担当者と話をメールでやり取りしたので、ビジネスで使用する英語にも強くなりました。
またもや大学の外で英語に強くなっていきます 笑
日本にいる母には、娘の役がなくなったことを伝えると、
残念だけど飛行機のチケットはキャンセルするわね、と言ってくれ、一安心。
これで、また普通のイギリスの田舎暮らしに戻ったわけです。
最後に。
お待たせしました。
うちの娘がなんの映画に出演予定だったかといいますと。
ででーん。
わお。
キアヌリーブスの 47RONIN.
かなりな駄作と言われるあの映画です!!
上映された時にはこっそり一人で観にいきましたが、
感想としては
「出演しなくてよかった・・・」ですかね 笑
日本人が知っている四十七士の話ではまーったくありませんね 笑
映画に詳しくないので、批評はできないし、しませんけど!
とはいえ、海外に住んでいると、日本では考えられないチャンスが目の前にごろごろ落ちてきて、
おもしろい経験ができることを肌で知ったわけです。
母子家庭で頑張る私たちに、運命の神さまが
ちょっとだけ 楽しいいたずらをプレゼントしてくれたのかもしれません。
そうそう。
チケットをキャンセルするといった母ですが。
電話を切った2,3日後に、あの東日本大震災が起こりました。
わたしの実家は、被災地にあります。
津波で流されることはありませんでしたが、ライフラインがすべて途絶え、
電気・ガス・水道とすべて復旧するまで1か月近くかかりました。
母が航空券をキャンセルしようと思っていたお店もしばらくの間、クローズ。
他の店舗に電話する方法もあったと思うのですが、
毎日を生きるのに精いっぱいだった母親は、
気が付けば、出発の日が目前となっていることに気が付き、
とうとう、
「おかあさん、イギリスに来ちゃった・・・。まずはお風呂に入れて」
と、震災後のはじめてのお風呂をイギリスで入ることとなるのです。
海外・イギリスから見た震災のはなしもできますし、
わたしとロンドンの主婦3人で立ち上げた、使い捨て哺乳瓶を被災地に送るプロジェクトの話もあるのですが、
これはまたいつの日か。
次の話は、世代を超えてみんな大好き!「機関車トーマスが走る国 イギリス」です。
でもね。なかなか会えないんです。
なぜでしょう??
ここまでわたしの遅い筆にお付き合いくださり本当に感謝です!!
立春といういいスタートに、このお話をお届けできたことを嬉しく思います。
遅いよ、前の話忘れちゃったよなどなど、叱咤激励もしくは感想いただけると励みになります<(_ _)>
storys編集部さんのツイッターでツイートされているのを発見。
Twitter使わないのでよく分からないのですが、ツイッターユーザーの方、チェックしてみてくださいね。
https://mobile.twitter.com/popular_story
とにかくとにかく、お待たせしました!!
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