ドバトの犠牲者
もう産毛もほとんどなくなり、色的には黒っぽくなった。
が、ここで問題が一つ発生した。
雛は相変わらず親から餌をたかっている。それは羽が生えてからは、羽で親鳩をバシバシ叩くぐらいなのだから、なおさらアグレッシブになっている。
♀ハトについては、もう雛にやる餌よりも自分の餌が大事というような状態(暗視モード)
自分の餌を取ったら、顔を外に向けて寝た。この雛のアグレッシブさに嫌気がしてか、次の産卵があるからなのか、♀ハトはこの後、ここに姿を現さなくなった。
しばらくは♂ハトが餌やりをしていたが、そろそろ雛を外に連れ出して、飛び方やエサの取り方等を教えたそうなそぶりを見せた。餌やりはほどほどに、雛に対して外に出るよう促す。しかし・・・・
♂ハト(上)「グルッポ~(訳)今から餌の取り方教えるから外に来い」
雛ズ(下)「ピー!ピー! (訳)えー、やだよー。父ちゃんが餌運んで来ればいいじゃないか!!」
雛はなかなか飛ばないものらしい。
ましてや、ここは6階、下はコンクリート舗装の駐車場で、断崖絶壁状態だ。足がすくむ気持ちもわからなくはない。
ということで、ベランダを覆っていたネットの一部を開放し、飛ぶ練習のできるスペースを作ってやったものの、全然そちらには意欲を見せない。
餌だけたかり、外には飛ばない。そんな日々が続いた。
このまま長居されて糞だけ溜められたらたまったもんじゃない。
私は、ある決意をした。
↑「ピー!ピー!(訳)ゴルァ!!黙って餌よこさんかい!もっとよこさんかい!!」w
雛に飛行能力がないとは思えなかった。巣の周りでは羽をバタつかせ、体が浮いている。そして、なにより親鳩が飛べと促すぐらいなのだから。
なかなか巣立たない理由はこの高さとベランダの切り込み部分(まさに断崖絶壁のような眺め)から飛ばなければならない環境にあると思った。足がすくむのは仕方ない。背中を押さないとなかなか飛ぼうとはしないだろう。仮に重力に逆らうほど飛べなかったにしても、ソフトランディングできるだけの力は十分にあるものと考えられた。
よし、放鳥しよう。
いくつか放鳥場所を考えた。1階まで降りて、近隣の木や芝などに放すのが1番だが、親鳩が見つけきれないなら長生きは厳しかろうということでこれは却下。ベランダの先はコンクリート張りの駐車場と、隣の建物(2階建ての保育園)なので、樹木類が一切ない。
結局、背中を押す方法を採用し、今のベランダから外に放り投げることにした。
↑(画像加工)まずは手摺りに置き、それから1羽ずつ放した。
2羽とも階下のベランダへ消えていった。
この放鳥には反省点ばかりだった。
まず、夜やらないこと(ハトにとって夜はほとんど見えない状態とのことで)。
親鳥の見ている前でやること(そうすると親鳥が探しやすい)。
ちなみに、1階の駐車場に転落した形跡は見られず、2日後ぐらいに2階のベランダでくつろいでいる所を目撃した。(単に下の階になすりつけただけかもw)
その後は隣の保育園の屋上に他のハトの群れと一緒にくらしている。
普段は全然飛ばないくせに、相変わらず♂ハトが来てはピーピーと餌をたかりに走っている。
放鳥翌日に♂ハトが巣に来て、大声で雛を呼ぶも出てくるはずがない。「探せや」と内心思った。
2日後には雛と一緒にいたのでなんとか見つけきれたのだろう。
まあ本来なら、これで一区切りとなるはずが・・・・・
相変わらず♂ハトは1羽だけうちのベランダにやってくる。そして誰を呼ぶともわからず大きな声で鳴く。それが夏の夜明け(5時ごろ)からだからたまったものではない。他の3羽はどこへ行ったのだろうか??
と思ったら見慣れぬ成鳥が更に1羽、♂と一緒にやってくる。これは何モノ??(右側)
信じられないが、背中の鱗と羽が白い位置から、これはどうやら♂ハトの息子のようだ。大分見違えたなー。
たぶん、飛行練習して、餌の取り方等いろいろ♂から教わっているのだろう。
いずれは娘も同様に♂親に連れられて来るのだろうか?
同時に、新たなつがいが巣作り物件の選定に来たのではないことを知り、ほっとした。
巣は人様の迷惑にならない所で作ってほしい。
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