ずっと気になっていたニューヨークへ。思いつくまま、ノープランで行ってみた。
部屋に通されて入ってみると、
なんと、そこには、
でかい1ベッドが部屋の真ん中に一つ。
う〜ん。
たしかに野村さんとは、15年来のつきあいだし。
同じホテル、部屋に何回も泊まってるし。
プールにだって一緒にいったことがあるし。
このダブルベッドに一緒に寝ろっていわれれば、
寝れなくもないんだろうけど。
ちょっと待ってくださいな。
このNYの3日間を、
この愛すべき、ゲイの友人と限りなく近い距離で、
心身ともに過ごす?
いやいや、そこはもういい大人なんで、豊かさを受け取りましょう。
受付のお兄さんに、部屋を2ベッドルームにしてもらうことは可能か?
っと聞いた。
すると、「もちろん。プラス一泊100ドルで。」というこたえ。
な、る、ほ、どー。
くらくらするような、NYの日差しの中。
時差ぼけ状態のまま、どうするか、相談しましょう。
と、無職の私たち二人。
近くのカフェへ。
はじめて入る、NYのカフェ。
野村さんはといえば、
急に段ボールの外に出された猫のような顔になっていて、
こそこそと、隅っこの席につこうとしている。
もうちょっとがんばって、こっちのガラスばりで、
人の歩きが見える席に行こうっと、私たちは窓際の席についた。
矢継ぎ早にNYのエネルギーを浴びまくってふらふら状態だった私たちは、
無言のままガラス越しに歩く人々をながめていた。
外を歩く人々はみな、まったく法則性のないいでたちで、
おのおの好きに歩いていた。
ときどき目が合えば、にこりと笑う。
あ、そうそうこの感じ。
目が合えばにこっと微笑みあえるこの感じ。
やっぱり好きかも!
ちょっとずつNYの事情を飲み込んできた私たちは、
落ち着きを取り戻し、さて、ベッドルームをどうするかについて話し合った。
そうだよ。せっかくのNY。
お互いに仕事をやめて、
収入の不安定な時期ではあったけど、
だからこそ!
いい部屋を選択しようじゃないか!
2ベッドルームの部屋にうつることにしよう。
☆
2ベッドルームの部屋は、思いのほかひろく、
真ん中にはテーブルなんかがあって、絵を描いたり、おしゃべりしたり、
この3日間を満喫するべく、快適な空間だった。
部屋に荷物を運んでくれた、黒人のお兄さんとハイタッチ。
さぁ、NY3泊5日の旅。
楽しむぞ〜!
私たちは夕方近くになって部屋に荷物をおくと、
お湯をわかして、お茶を飲んで、やっとひと呼吸した。
時差ぼけにより睡魔が襲ってきたけれど、
『到着日はそのまま寝ないで起きて行動』
友達のアドバイスにより、
私たちはがんばって起きていることにする。
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